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里余
「里余〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
里余の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。戦闘開始中は管理部も後方に引き下がっているのであるから、彼は暗い寒い雨の夜に一
里余の路を引返して、ようように管理部のありかを探し当てたが、管理部でも毛布までは....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
程、そうか、夜叉ヶ池を見に来たんだ。……明日にしては、と云うんだけれども、道は一
里余り、が、上りが嶮しい。この暑さでは夜が可い。しかし、四五日は帰さんから、明日....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
。」「何、帰りの支度でゃ、夜嵐で提灯は持たねえもんだで。」中の河内までは、往還六
里余と聞く。――駕籠は夜をかけて引返すのである。 留守に念も置かないで、そのま....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
ざまにそればかりを心で繰り返した。 登志子やまき子が帰っていく所は停車場から三
里余りもあった。途中でも彼女は、身悶えしたいほど不快な遣り場のないおびえたような....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
から爪先上りのだらだら坂になった、それを一里半、泊を急ぐ旅人の心には、かれこれ三
里余も来たらうと思うと、ようやく小川の温泉に着きましてございまする。 志す旅籠....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
は――そう思いました。 思いつつ推切って行くのであります。 私はここから四十
里余り隔たった、おなじ雪深い国に生れたので、こうした夜道を、十町や十五町|歩行く....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
ず僕が夏休みで帰郷したのは忘れもしない七月の十二日で、僕の生れた町は停車場から三
里余りも離れている。この頃は乗合自動車が通うようになったが、その時代にはがたくり....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
れを言い出したときに、僧は迷惑そうな顔をして断わった。 「これから下大須までは一
里余りで、そこまで行けば十五、六軒の人家もあります。旅の人のひとりや二人を泊めて....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
たのであった。云うまでもなく直芳のであった。 これで一同勇気が出て、かれこれ一
里余りも分入った時に、また先頭の一人が叫んだ。 「大変だッ」 そこには古い熊の....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
ど、その大きな波濤を全身で浴びて立っている一つだった。 傅兵衛の店舗は、周囲五
里余の山腹の村々から、海原にうかぶ一つの白い小さい島のように、不規則に散在する田....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
てそこらまでの心算がやがて博多の街つづきである箱崎になんなんとする地蔵松原――二
里余もつづく千代の松原の一部、ここには米一丸の墓があって、人魂が飛ぶと云われた淋....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
も、喫んでいるのが刻煙草である。 場所は、言った通り、城下から海岸の港へ通る二
里余りの並木の途中、ちょうど真中処に、昔から伝説を持った大な一面の石がある――義....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
四つ、南のは今まで通った処、一番高大、その次は西北鷲羽に通ずる峰、次はこの峰を半
里余行って東北、高瀬川の湯俣と水俣との間に鋸歯状をなして突き出している連峰、一等....
「西航日録」より 著者:井上円了
もののごとし。それ楊子江は世界無二の大河にして、舟楫の通ずる所、本流にありて三千
里余、本支を合すれば四千里なりという。これをわが国の大河たる利根川、信濃川等の、....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
俵出すと言つた。だが本家はまたその上に出た。源治はビツコ足をひいて五度も六度も一
里余の遠路を通いつづけたが、ついにそのせり合いに敗れ去つた。本家は十六才の子供に....