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里子
「里子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
里子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命論者」より 著者:国木田独歩
梅《うめ》、所天《つれあい》は二三年前に亡《なく》なって一人娘《ひとりむすめ》の
里子《さとこ》というを相手に、先《ま》ず贅沢《ぜいたく》な暮《くらし》を仕《し》....
「宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
イー・ペー・エル研究所に絵
里子をたずねた僕は、ついに彼女に会うことができず、そのかわり普段はろくに口をきい....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
に忌な心持をさせられるので、思い切って屋敷から出してしまうことにしました。表面は
里子に出すということにして、その実は音信不通の約束で、出入りの植木屋の万吉という....
「わが町」より 著者:織田作之助
に浮いて、下った。 4 間もなく他吉は南河内狭山の百姓家へ君枝を
里子に出し、その足で一日三十里梶棒握って走った。
里子の養育料は足もとを見られ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
お辰のなき立つ事の屡なるに胸苦しく、苦労ある身の乳も不足なれば思い切って近き所へ
里子にやり必死となりて稼ぐありさま余所の眼さえ是を見て感心なと泣きぬ。それにつれ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
とそこにとまっていた。あすこの群の方へははいらずに、まるで永い間里へやられていた
里子のように、一羽しょんぼりと離れている様子が、少女には何か愛くるしく可憐しかっ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
築場の職工の間に出来て仕舞った。だから生むと直ぐその子をロアール川沿いの田舎村へ
里子に遣り、縁切り同様になった。ジャネットに物心がついて母を慕う時分にはカテリイ....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
たそうです。そうして母は死に、阿倍野の葬儀場へ送ったその足で、私は追われるように
里子に遣られた。俄かやもめで、それもいたし方ないとはいうものの、ミルクで育たぬわ....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
個性的な注意が必要である。 長野県では、県の全寺院が二三名ずつの浮浪児を育てる
里子運動が起っているというが、未開時代に僧侶が知識人の代表的なものであった時と異....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、彼を聟にむかえたも道理。お米は名題の淫奔娘で、すでに三人も父なし子を生み落して
里子にだしており、この界隈からは然るべき聟をむかえることができない娘であった。 ....
「人生案内」より 著者:坂口安吾
り子供を預ってくれる家をさがさなければならない。ようやく料金後払い、当分はタダで
里子に預ってくれる家があったので、子供を預けて、またニコヨンになった。 さて残....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
少し落附いて子供を見てくれるような人があったらと心懸けていますと、森の於菟さんが
里子に行っていた平野という家の老婆が世話好きで、田舎の方に心当りがあるというので....
「空飛ぶ悪魔」より 著者:酒井嘉七
るはずだ。 自分は、この手記を通信筒に入れ、同船の甲板に投下する。 自分は沙
里子をどれほど愛していたことか、彼女も自分には厚意を持っていた。 そうした事に....
「わが町」より 著者:織田作之助
界隈の金持で子供がないという笠原から、生れた子を養子にと請われたのも断り、君枝を
里子に出した足で、一日三十里梶棒握って走った。
里子の養育料は足もとを見られた月に....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
君、渋沢青花君、「重箱」の大谷平次郎君たちがいる。わたしよりあとの時代には、松平
里子夫人、中村吉右衛門夫人、富士田音蔵夫人なんぞがいる――勿論、この外にもいろん....