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里帰り
「里帰り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
里帰りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「源おじ」より 著者:国木田独歩
煤《すす》けし壁に浮かびいずるは錦絵《にしきえ》なり。幸助五六歳のころ妻の百合が
里帰りして貰いきしその時|粘《は》りつけしまま十年《ととせ》余の月日|経《た》ち....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
とした運転手は「八十銭やって下さいよ」とうそぶきます。場所が場所だけに、学生の遊
里帰りとでも、間違えたのでしょう、ひどく反感をもった態度でしたが、こちらは何しろ....
「蠅男」より 著者:海野十三
いよ新しい年とともに始まるというわけだすな」 「まあ近いうち、お二人揃って大阪へ
里帰りするのでっせ」 などと、朗らかな餞けの言葉はあとからあとへと新郎新婦の上....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
。そう言えば、わたしも覚えがあるが、これで眉でも剃り落とす日が来てごらん――あの
里帰りというものは妙に昔の恋しくなるものですよ。もう娘の時分ともお別れですねえ。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
てこのおばあさんに仕込まれて、それをまた娘のお粂に伝えているお民としては、たまの
里帰りが彼女自身の娘の昔を思い出させないものはない。 やがて天井の高い、広い囲....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
造りに見えた。でも、お粂はお粂らしく、瀟洒とした感じを失ってはいなかった。たまの
里帰りらしい手土産をそこへ取り出すにも、祖母のおまんをはじめ宗太夫婦に話しかける....
「ねずみと猫」より 著者:寺田寅彦
らくまだ自覚しない将来の使命に慣れるための練習を無意識にしているのかもしれない。
里帰りの二日間に回復したからだはいつのまにかまたやせこけて肩の骨が高くなり、横顔....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、嫁の里が相当の家であれば、たといそれが二十里三十里の遠方であっても、いわゆる
里帰りに姑や聟も一緒に出かけて行って、里の親類や近所の人達にもそれぞれの挨拶をし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の口から聞いて知っているばかり」 「左様でござんすか、いずれ明日にも、お嫁様のお
里帰りがあるでござんしょうから、その時ごらんになると……そのとき誰かにお聞きなす....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
儀のお武家の娘――品のいい娘だったが、あれが内実はお手がついたとかつかんとかで親
里帰り、それからまた、興楽亭のおかみなあ、あれも、親玉に持ちかけたとかすりつけた....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
何を隠そう汝はもともと乙姫様の系統を引いているので、そちの竜宮行は言わば一|種の
里帰りのようなものじゃ……。』 お爺さんの述べる所はまだしッくり私の胸にはまり....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
三畳の間へ、大声をぶちまけて、
「作爺さん、いま帰《けえ》った。チョビ安さんのお
里帰りだ。お土産を持って来たぜ」
暗さに眼がなれてみると、その三畳はみじめをき....
「猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
ら逢いたい、婿殿ともども逢いに来るようにと伝言があった。そこで松乃は良人と一緒に
里帰りの旅へ出たのであったが、昨夜、浅貝の旅宿あたりから耳が痛み出し、次第に烈し....
「モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
すらしないというのだ。 「日本であそんで、フランスへ行こうよ。」 「ええ、丁度お
里帰りですわ。」 お雪は、日本へ帰れるのが嬉しかった。米国の社交界から、漂泊的....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
ともすれば芽を出そうとしているのを知って、わびしかった。 くろだい 隣の嫁が
里帰りの土産に塩魚をくれた。くろだいの生きのいいのを上手に塩してある。さっそく昼....