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重い
「重い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
せわしく一足ふみ入れた。
四
猪熊のばばに別れると、次郎は、
重い心をいだきながら、立本寺《りゅうほんじ》の門の石段を、一つずつ数えるように上....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
中に、彼が描こうとする小説の場景の一つを、思い浮べるともなく思い浮べた。そこには
重い舟日覆《ふなひおい》がある。日覆の外の海は、日の暮れとともに風が出たらしい。....
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
いである。女隠居はこう云う清太郎よりも雪さんを大事にしていたらしい。その癖病気の
重いのは雪さんよりもむしろ清太郎だった。
「あたしはそんな意気地《いくじ》なしに....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
問を教わりました。それを実地に役立てさえすれば、大きい錠前を※《ね》じ切ったり、
重い閂《かんぬき》を外したりするのは、格別むずかしい事ではありません。(微笑)今....
「冬」より 著者:芥川竜之介
僕は
重い外套《がいとう》にアストラカンの帽をかぶり、市《いち》ヶ|谷《や》の刑務所へ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
事でございましょう。」と、ふだん私どもに向っては、返事をするのも面倒そうな、口の
重い容子《ようす》とは打って変って、勢いよく、弁じ立てました。これにはあの摩利信....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
でも当りますか――その母親の弟になる、茂作《もさく》と云う八ツばかりの男の子が、
重い痲疹《はしか》に罹《かか》りました。稲見の母親はお栄《えい》と云って、二三年....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
びしょう》を浮べたまま、安庠《あんしょう》とこちらへ歩いている。
尼提は糞器の
重いのを厭《いと》わず、もう一度他の路へ曲って行った。如来が彼の面前へ姿を現した....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
まっすぐに流れ出す。流れ出すと、炉の下の大きなバケツのようなものの中へぼとぼとと
重い響きをさせて落ちて行く。バケツの中がいっぱいになるに従って、火の流れがはいる....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。」
叔母がこう云って出て行くと、洋一も欠伸《あくび》を噛み殺しながら、やっと
重い腰を擡《もた》げた。
「僕も一寝入りして来るかな。」
慎太郎は一人になって....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
に奪われた事、北《きた》の方《かた》は去年の冬、御隠れになってしまった事、若君も
重い疱瘡《もがさ》のために、その跡を御追いなすった事、今ではあなたの御家族の中で....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
。 竹藪のある所へ来ると、トロッコは静かに走るのを止めた。三人は又前のように、
重いトロッコを押し始めた。竹藪は何時か雑木林になった。爪先上りの所所には、赤錆の....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
間にか例の小娘が、向う側から席を私の隣へ移して、頻に窓を開けようとしている。が、
重い硝子戸は中々思うようにあがらないらしい。あの皸だらけの頬は愈赤くなって、時々....
「初雪」より 著者:秋田滋
こう云った。 「あたし――あたしねえ――何だか悲しいんですの――何だか、妙に気が
重いんですの――」 しかし、そう云ってしまうと彼女は何だか怖ろしい気がしたので....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
デー実験室」というのを南に建て増しをした。その後ヂュワーが低温度の実験をしたとき
重い機械を入れたため、多少の模様変えをした。しかし今日でも昔のおもかげは残ってい....