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「重ぬ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

重ぬの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
度勅命により召寄せらるるにより、先手の者上京する由を告げたが、薩兵聴かず、問答を重ぬる裡、薩州より俄に大砲を打ち出したが、最初の一発に桑名の兵、十数人打ち重って....
近時政論考」より 著者:陸羯南
々たる社会豈に他の理由あらんや。 吾輩は政論考を草して保守中正論派に至り、編を重ぬることすでに十七、最後において吾輩の持説たる国民論派を略叙せんと欲す。吾輩は....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
その上に霖雨に逢い、旱を祷ってむなしく帰った。 それから宣和年間に至るまで年を重ぬること百五十、故宮はいよいよ荒れに荒れて、金鑾殿のうしろから奥へは白昼も立ち....
おとずれ」より 著者:国木田独歩
く笑いたし、と二郎は心地よげに東の空を仰ぎぬ。われ、こしかた行く末を語らば二夜を重ぬとも尽きざらん、行く末は神知りたもう、ただ昨日を今日の物語となすべし、泣くも....
書記官」より 著者:川上眉山
ねど、光代は差し当りての身の物憂げなるを、慰めてくれぬ父を恨めしと思いぬ。憂いに重ぬる不満は穂にあらわれて、父様、つまりませぬから私も帰りまする。と辛きに当てて....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
後世の輿論に質さんとしたるものにして、この一点については論者輩がいかに千言万語を重ぬるも到底弁護の効はなかるべし。返す返すも勝氏のために惜しまざるを得ざるなり。....
日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
航海の困難ということも理由の一つではあったが、もっと重大な原因は、隋、唐と国交を重ぬること推古天皇様十五年より宇多天皇様寛平六年|迄二百八十八年に及びこの長い間....
妖怪学」より 著者:井上円了
女相性のことにつき、男火性、女また火性なるときは大凶とす。なんとなれば、火に火を重ぬれば炎となる、炎は胸をこがすわけにて、夫婦相争ってやまざればなりという。また....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
、往々その考えが間違っております。ゆえに、いったん不幸をこうむったものは、失敗を重ぬることが多い。これに反して、幸福を受くるものは、心がたしかになる。心がたしか....
妖怪報告」より 著者:井上円了
さきを聴官に大きく聞こゆる音響も、やはり水のごとく、はじめは勢力小さきも、これを重ぬるときは、大きくなりて聞こゆるなるべしと思わる。しかし、この説は余の浅考にて....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
、内心成功を危ぶまずにはいられなかった。 いよいよ『其面影』が現れて、回一回と重ぬるに従って益々この懸念が濃くなった。『其面影』の妙処というは二十年前の『浮雲....
国号の由来」より 著者:喜田貞吉
形体夜叉の如く、変化無窮なり。人倫禽獣魚肉を食として、五穀の農耕を知らず、九訳を重ぬと雖も、語話を通じ難し」とあって、全然生蕃階程にいたアイヌを呼んだ名であった....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
る。法隆寺の研究者はすべからく天智天皇朝の火災の事実を前提として、その上に研究を重ぬべきものである。ことに芸術史的様式の変遷を論ぜんとする程のものは、必ずこれを....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
なれば、これを再びして、かの善き貯えをも泡と化する、季節はずれの時化に遭う危険を重ぬるなかれ。このことのみぞ、いまは御身のなすべき務めなり、そはかつて御身のもの....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
て清美を欠く。わが日光丸とは雲泥の差あり。食事は毎回二、三品に過ぎず、一品を幾回重ぬるも任意なり。茶は朝食のときを限りとし、そのほかは湯水のほかは供せず。ゆえに....