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重んずる
「重んずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重んずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
ものを説明している。未来もまたあらゆるものを説明するであろう。しかしわたしたちの
重んずるのはただ科学そのものであり、あるいは芸術そのものである。――すなわちわた....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
分つて三と為すことを得べし。
「その一は文弱也。文弱とは肉体の力よりも精神の力を
重んずるを言ふ。
「その二は軽佻《けいてう》浮薄也。軽佻浮薄とは功利の外に美なる....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は処女たる事実を知った後に始まるものである。即ち卒直なる感情よりも零細なる知識を
重んずるものである。この故に処女崇拝者は恋愛上の衒学者《げんがくしゃ》と云わなけ....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
のだ。人生の幸福という点よりそれが必要なのだ。向上心の弱い人は、生命を何物よりも
重んずることになる。生命を極端に
重んずるから、死の悲哀が極度に己れを苦しめる。だ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
目にして、寺門前には法網をくぐる者が往々ある。その欠陥を承知していながら、先例を
重んずる幕府の習慣として、江戸を終るまであらためられなかった。 庄太の戻って来....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
りも更に変革しなければならないのは、軍隊に対する一般国民の観念である。由来、文を
重んずるはシナの国風であるが、それが余りに偏重し過ぎていて、文を
重んずると反対に....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
とても濃かで、別れる気などは更になかったのでございますが、その頃は何よりも血筋を
重んずる時代でございましたから、お婿さんは無理無理、あたかも生木を裂くようにして....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
である。多分に作者の特異な個性と空想とが全画面に混り合い、融け合っている。印象は
重んずるが、その表現は物象に直接ではなくて、幻想のるつぼを通して来たものである。....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
に捗るのではないかという期待をもっています。早い話が、明治時代までは、やや格式を
重んずる家庭で、「声の躾け」ということが行われた事実を、僕などでも記憶しています....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ばかりか、とうとう真ものにしてしまった。 生命を軽んずること鴻毛のごとく、約を
重んずること鼎に似たり。とむずかしくいえばいうものの、何の事はがあせん、人殺しの....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
の下等遊びを冷笑していた。壱岐殿坂時代の緑雨はまだこういう垢抜けした通人的気品を
重んずる風が残っていた。 簾藤へ転じてからこの気風が全で変ってしまった。服装も....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
という葉書が届いているんだから呆気に取られてしまった。 いやしくも沼南は信誼を
重んずる天下の士である。毎日新聞社は南風|競わずして城を明渡さなくてはならなくな....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
による。一方に皇統一系あるは、わが古来の人民、血統を重んぜしによる。人民、血統を
重んずるをもって、一方には皇統一系あり、他方には僧統一系あり。両方に血統一系ある....
「西航日録」より 著者:井上円了
別すれば百三十四種あり、その間の圧制実に驚くべきもの多し。これに加うるに、旧習を
重んずる風ありて、社会の発達はほとんど絶望のありさまなり。しかしてこのカースト制....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
かも西洋文明は自然と戦いこれを克服する事に何時しか重点を置く事となり、道より力を
重んずる結果となり今日の科学文明発達に大きな成功を来たしたのであって、人類より深....