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重体
「重体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
」 と稍くの事で止めました。翌朝になると、お竹は尚更|癪気が起って、病気は益々
重体だが当人が何分にも肯きませんから、駕籠を傭い、碓氷を越して松井田から安中宿へ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ど、生きている証拠には、かすかに瞼をうごかした。
助け出された先生は、かなりの
重体であった。ことに、丸木のために頭に加えられたうち傷はかなり深く、それに時間も....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んにも……だが、誰もまだ同じ宿にいながら、その人の姿を見た者が無いんだ、よほどの
重体で枕が上らないんだろう」 「なるほど……その看病でお雪ちゃんが出て来られない....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
」とかいうようなものは結局なんにも判りませんでした。 母の病気は一時なかなかの
重体で、わたくし共もずいぶん心配いたしましたが、幸いに翌月の初旬には全快しました....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
響きはシルクハットの落ちる音だ。 電信局に夜遅くまで灯火がついてるのを見ると、
重体な病人の室の灯火を見るような気がする……。はいっていって尋ねたくなる、いかが....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かるなんでもない男こそ、人生においては恐るべきものである。彼らは空中に放置された
重体のように、ただ下に落ちようとする。どうしても落ちざるをえない。そして自分とと....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
父の重病は事実であった。しかも養母は密夫をひき入れて、商売には碌々に身を入れず、
重体の亭主を奥の三畳へなげ込んだままで、誰も看病する者もないという有様であった。....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
名越左源太が、浪人達の首と肩との間を透して、用人に、顔を見せた。
「哲丸様が、御
重体で、早速――」
云い終らぬうちに、左源太が、立上って、前にいる、横にいる浪....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
は、そのはなしをすることにしましょう。 実は、先日来、大隈未亡人|綾子刀自が御
重体であると新聞紙上で承り、昔、お見知りの人のことで、蔭ながらお案じしていた次第....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
たくらいだけれども、橘之助に附添って嬉しくないことも無いのであった。 しかるに
重体の死に瀕した一日、橘之助が一輪ざしに菊の花を活けたのを枕頭に引寄せて、かつて....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
の男|一人である。これに就て厳重に詮議するより他はないが、何分にも生命危篤という
重体であるから、手の着様が無い。 昨夜村境で発見した惨殺死体は、面の皮を剥がれ....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
場まで廻しますのに、昨夜にかぎって、突然、しかも夜更けてお帰宅遊ばし、いきなり御
重体におなりになりましたので、私共はただもう夢のようで、どうしても奥様はお亡くな....
「和製椿姫」より 著者:大倉燁子
ならない、と、彼は焦っていた。 「もっと委しく話して頂けないでしょうか。奥様は御
重体でいらしたとすると、どういう御病気だったんですの?」 彼は鼻の先でふふんと....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
にどっかと坐り今朝の新聞を広げて見た。鳩に関する記事は何より先に目に入る。 一時
重体を伝えられた杉山書記官は幸にも経過良好で数日中に退院するという。氏は再度の危....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
意外な場所に彼女が、彼女自身を発見したら、必ず逃げようとするに違いない、が、あの
重体では歩けまいから、この室のどこかに隠れているのではあるまいかと思ったのだが。....