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重心
「重心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ばれていた。葉子は前後左右に大きく傾く甲板の上を、傾くままに身を斜めにしてからく
重心を取りながら、よろけよろけブリッジに近いハッチの物陰までたどりついて、ショー....
「片信」より 著者:有島武郎
と僕は信ずるのだ。第四階級をいうならば、ブルジョアジーとの私生児でない第四階級に
重心をおいて考えなければ間違うと僕は考えるものだ。そして在来の社会主義的思想は、....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
足の下に軟体動物を踏付けたらしく、あっと思う間もなく足を滑べらせ、とたんに身体の
重心を取られて、博士を背負ったまま派手に顛倒した。 「ううっッ」 何が幸いにな....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ても伝わっていることは更に少ない。彼は平衡状態にある液体は球形となり、また一つの
重心をもつことちょうど地球も同様であると説いた。この理由によって海面は平面ではな....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
目に形がよくないようなときは、俳優自身が必ずどこかで肉体的に無理な動きや不自然な
重心の据え方をしていながら、しかも自身でそれを発見し修正する能力を欠いている場合....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
りた。そして今度は白く塗られた船体の外側に寄添って、船底の真ん中に縦に突き出した
重心板の鉛の肌を軽く平手で叩いて見ながら、 「いいヨットだなあ。バランスもよさそ....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
ああ彼見事に下りぬ わが胸は跳る いざおりん もちかうる杖の喜び 山足にうつる
重心 つばめのごとき身体のひらき 下りきりて崖を仰げば 日にてらされし ....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
てしがつかない。船は、今にも、ひっくりかえりそうである。帆村は、そのたびに、船の
重心を直さなければならなかった。 「これでもかッ!」 「ぎゃッ」 帆村の、猛烈....
「地軸作戦」より 著者:海野十三
葉をきいて椅子からすべり落ちた。よほどおどろいたものと見える。 「あれっ、早もう
重心方向が変ったかな。この太っちょの特使閣下が安定を欠いて椅子から滑り落ちるとは....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
「あ、あぶない」 と気がついたときには、もうおそかった。三郎の身体はすっかり
重心をうしなっていた。そして次の瞬間には、二人は宇宙服を着たまま、丘のうえから、....
「転機」より 著者:伊藤野枝
も後れながら、今度は前よりもさらに深い、膝までも来る蘆間の泥水の中を、ともすれば
重心を失いそうになる体を、一と足ずつにようやくに運んでゆくのであった。 「みんな....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
、キャーッとか叫んで立ちあがったとしたら、どうだろう。そう思った瞬間、僕の身体の
重心が、どこか身体の外に移ってゆくような気がした。 医師はピカピカ光る解剖の器....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
けたスワンソン夫人の肉体は軽い空気の中に出てうす白く膨張する。彼女は逃げた肉体の
重心を追う格好で部屋の左側に沿い室内靴をじゅうたんにすりつける。 およそ強奪し....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
。が、世間には発表しなかった。その発表しなかった理由は不明であるが、多分性来の自
重心が軽々しく公けにするを欲しなかったのであろう。その時分またビェリンスキーの美....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ましたように、日本の仏教は必ず民族精神の暢達を図り、現実生活を価値化するところに
重心があります。誠に日本仏教は、生に対して逞しく健康な心力を有する日本民族にとっ....