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重物
「重物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重物の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
伐《まかないせいばつ》の大将で、リヴィングストンの崇拝家で、寒中《かんちゅう》一
重物《ひとえもの》で通した男で、――一言《いちごん》にいえば豪傑《ごうけつ》だっ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
三が着ても可笑しくないような黄色いお召の袷や、手触りのざくりとした、濃い潮色の一
重物を取り出して来たりした。ある日はまたにわかに暑くなって、葉子は彼をさそって橋....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
の出処を知らぬ民が、貴人の頭上に宝冠を戴くごとく希有《けう》の動物の頭にかかる貴
重物を授くと信じたからで、後世その出処がほぼ分ってもなお極めて高価な物は竜蛇の頭....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
の生活がいとなまれているといえないことはないです。わが地球には、ウラニウム以上の
重物質はない。しかし他の天体には、これ以上の
重物質、生気溌溂というか、ぴんぴん生....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
か、もっともっと大冒険の途中なんだ。ムーア彗星にある超放射元素のムビウムという貴
重物質を採るためなんだからね、これが緑川博士の新動力発生装置に是非とも必要なのだ....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
かつて述べたように、技術は階級的に制約されてしか存在しなかった。階級関係は無論二
重物の対立である。 そこで、技術が上部構造乃至イデオロギーを一般的に決定する(....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まうに違いない。ところが、二人のうち、特にお絹という女にとっては、その粕こそが珍
重物である。 お絹は、その七兵衛の稼ぎための粕によって、当座の自分たちの生活に....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
った。 室内に目立つのは、幾筋も藤蔓を張って、それに吊下げて有る多数の印籠。二
重物、三
重物、五
重物。蒔絵、梨地、螺鈿、堆朱、屈輪。精巧なのも、粗末なのも、色々....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
そくなって失礼しました。」と進は年増の芸者に帽子と二重廻を渡し、お召《めし》の一
重物《ひとえもの》に重ねた鉄無地一重羽織《てつむじひとえばおり》の紐《ひも》を結....