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重病
「重病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
と姉弟二人、もう七十を越した祖母の手に育てられて来たのだそうです。ですから茂作が
重病になると、稲見には曽祖母《そうそぼ》に当る、その切髪《きりがみ》の隠居の心配....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
いに予備隊として待機させてあった索敵戦隊に進撃命令を下した。 だが、同じような
重病患者の寄りあい世帯のような索敵戦隊に何が望めるというのだろう。 それでも扉....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
、温泉気分と夫婦生活とを満喫することができた。 だが、東京に帰ってくると半平は
重病になって、どっと床に就いてしまった。高熱がいつまでも下がらなかった。食物もろ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
れ切ってしばらく寝たまま休んでいた。目は開いてはいられず、動悸がはげしく打って、
重病人になったような気がしてならなかった彼はゴム管を咥《くわ》えて、水を吸う元気....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、漸く薄明りがさして来た。もう一時間と経たないうちに、空襲によって風貌を一変した
重病者「大東京」のむごたらしい姿が、曝露しようとしている。白光の下に、その惨状を....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ったことである。牢の中でも、首領の前へ呼びだされたときでも、老人は一歩も歩けない
重病人のように見えた。それは、わざと
重病人の風をよそおっていたのにちがいない。 ....
「超人間X号」より 著者:海野十三
「どこに。ああ、あれか。なるほど、谷博士さんそっくりだ。しかしおかしいぞ。博士は
重病《じゅうびょう》なんだから、こんなところにいるわけはない。だれかにたずねてみ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
青江三空曹の、人間わざとは見えないがんばりぶりにもかかわらず、エンジンの調子は、
重病人の眼のようにわるくなるのでありました。 (怪塔ロケットにせっかく追いついた....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
人の顔ぶれが問題になった。いろいろ議論はあったが、ついに、少し無理ではあったが、
重病の六角博士を除いて、他の五人――つまり新宇宙艇の乗組員の中で、逃亡した猿田飛....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
ると、両肩を波のようにうごかして、くるしそうな息をついているのであった。いかにも
重病でくるしんでいるらしい。 クイクイの神になりすましている漁夫三浦須美吉は、....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
った。 そういう人達に取っては、ラザルスの顔や態度に新しく現われた変化は、みな
重病と最近に体験した種々の感動の跡だと思われていた。ところが、死に依るところの肉....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
えたり。よって、酒をその前に供えていろいろのことを問い始めたり。まず、その隣家に
重病のものと軽症のものとの二名の病人あり。その
重病のものの死生をたずねたれば、『....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
が往来で見た女給風の女は、最初出逢ッた時、恐しく、苦しげな息遣いをしていました。
重病人か、さもなくば恐しい出来事にでも打つかってきた人か、とにかく普通の状態では....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
わ」 「危ぶない話ね、もし見つかったら――」とまゆみは胴震いした。 「光村博士は
重病患者があって行かれないと仰しゃるし。見物はまゆみちゃんの妙技にうっとりと魂を....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
存じておりますが――」 「何故、秘していられるのです?」 「云ったら大変ですわ。
重病人の親を捨てて姿を晦ますような不埒な奴にはこの家の相続はさせられない、と、い....