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重症
「重症〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重症の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖怪学」より 著者:井上円了
施し、これを数十人に試むるに、みな好結果を得たり」と。かつ曰く、「本術はいかなる
重症難患といえども、薬石を用いず診断を要せずして、たやすく全治することを得る奇法....
「火薬船」より 著者:海野十三
、まだ死にはしない」 「うん、死ぬものか」 と、竹見は口ではいったものの、この
重症のハルクが再起できるとは、ひいき目にもおもわれなかった。 「おい、た、竹。お....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
にあるかを計りかねた一同だった。 頭の働く部下の一人は、こう考えた。 (課長が
重症の赤星龍子について引上げるというは、最早今夜は犯罪が行われないことがわかった....
「振動魔」より 著者:海野十三
といえば、極く軽症の肺病患者ばかりに入院を許し、第二期とか第三期とかに入ったやや
重症の患者に対しては、この療法が適しないという巧みな口実を設けて、体よく医者の方....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
とは何にも判らなかった。 五分、十分……やや静まった。門外に居た参列者だけは、
重症を負いながらも、一命はとりとめたようである。その連中が門内を覗きこんで、一種....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
と思われる長身の西洋人だった。 「今は何時になるか?」 その声音《こわね》は、
重症の病人とは思われないほど元気に響いた。 「五時三十五分です、閣下《かっか》」....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
に、この線路の上に怖ろしい事件が起こったのです。そうして十時間ののちには、死人と
重症者がトンネルの中から運ばれて、ちょうどその影のあらわれた場所へ来たのです」 ....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
もう疑いなく尿毒性で……どうも尿毒性となると、普通の腎臓病と違ってきわめて危険な
重症だから……どうです、お上さん、もう一人誰かほかの医者にお見せなすったら。もし....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
熱病患者のような眼をして検事を顧みた。
「ねえ支倉君、キャムベルに云わせると、
重症の失語症患者でも、人を呪う言葉は最後まで残っていると云うじゃないか。また、す....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
かどうか案じられたほどで、誰もがいつ死ぬかとばかり思っていました。同僚中で結核の
重症といわれた山極氏と、どっちが先だろうと較べられ、知人の葬式に顔を合わす度に、....
「痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
、初期の緑内障ならば、手術その他の方法で、ある程度まで治療することが出来ますが、
重症ならば勿論失明の外はありません。ことに疼痛が甚だしいために、それを除くには眼....
「精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
間なのだろうか。いったい、精神病者とは、何者であるか。 僕のいた東大神経科は、
重症者を置かない。置く設備がないからである。廊下の出入口の一ヶ所に鍵がかかるだけ....
「日月様」より 著者:坂口安吾
宰がはじめて中毒の時も、パントポンとナルコポンの中毒だったそうです。僕の病院では
重症者の病室がないので、兇暴患者が現われると、ナルコポンで眠らせて松沢へ送るそう....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
でもないが上が長らく御不例でな、お医者も種々手を尽されたが、遠からずと云う程の御
重症である」 源「へえ何でげすか、余程お悪く在っしゃいますんで」 大「大きな声を....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
が、卒業後|肋膜にいつも故障があり、私と結婚してから数年のうちに遂に湿性肋膜炎の
重症のにかかって入院し、幸に全治したが、その後或る練習所で乗馬の稽古を始めた所、....