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「重石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

重石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
日も続いているのにかかわらず、睡気《ねむけ》というものは少しも襲って来なかった。重石《おもし》をつり下げたような腰部の鈍痛ばかりでなく、脚部は抜けるようにだるく....
田舎教師」より 著者:田山花袋
すらかれは疲労を覚えた。 泥鰌も百匁ぐらいずつ買って、猫にかかられぬように桶に重石をしてゴチャゴチャ入れておいた。十|尾ぐらいずつを自分でさいて、鶏卵を引いて....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
戸に行って、石を買う。武蔵野に石は無い。砂利や玉石は玉川|最寄から来るが、沢庵の重石以上は上流|青梅方角から来る。一貫目一銭五厘の相場だ。択んだ石を衡にかけさせ....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
(赤石山脈)の支峰だと晃平のいう蝙蝠岳は、西の空に聳えて、朝起きの頭へ、ずしりと重石を圧えつける。 小舎の前の渓水に嗽ぐ。水は、南へと流れる。当面の小山を隔て....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
られていた、「どうしました、怪我はしませんか、怪我は」私は黙って首を振った、胸が重石で圧されたように痛い、雪田を下りかけた人夫は杖を突っかいながら、呆気に取られ....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
が無ければ手も引込めて居るのだが、仕方が有るから手が出したくなる。然し氏郷という重石《おもし》は可なり重そうである。氏郷は白河をば関|右兵衛尉《うひょうえのじょ....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
よ。与五郎、鬼神相伝の秘術を見しょう。と思うのが汽車の和尚じゃ。この心を見物衆の重石に置いて、呼吸を練り、気を鍛え、やがて、件の白蔵主。 那須野ヶ原の古樹の杭....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ばすことは前述の如く、この暴女王の絶対権に支配されていた以前の小作たちから圧迫の重石《おもし》を除いて、鬼のいぬ間という機会を与えた善根になるというものです。 ....
幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
し、私はすぐに寐床へはいり、とても、苦しい気持になったのです。一刻も早く。私は、重石をとりのぞかせるような状態まで、自分を持ってゆきたいと。私はその夜あれこれと....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ン怒って帰ったが、それからはナガレ目が道を歩いていると、松の木の上からタクアンの重石のような石が落ちてきたり、自宅の前へきてヤレヤレと思うと屋根の上から大きな石....
桜の園」より 著者:神西清
いだわ。天使たちが、お前を見すてなかったのね。……ああ、わたしの胸や肩から、この重石がとりのけられたら! わたしの過去を、きれいに忘れることができたら! ガーエ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
小作農家の十倍以上はタップリあろうというものである。なお、屋根に多くのタクアンの重石のようなものをのせるのは、クギを用いないためであり、つまりクギによる雨モリを....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
そうな宗匠振。朽色の麻の衣服に、黒絽の十徳を、これも脱いで、矢張飛ばぬ様に瓢箪を重石に据えていた。 「宗匠は、なんでも委しいが、チト当社の通でも並べて聞かしたら....
五重塔」より 著者:幸田露伴
はない我が耳にも入れられたは、汝の腹でも聞いたらば我の胸でも受け取った、汝一人に重石を背負ってそう沈まれてしもうては源太が男になれるかやい、つまらぬ思案に身を退....
かぶらずし」より 著者:中谷宇吉郎
を、厚さ一センチくらいに切り、中に切れ目を入れて、その中に塩ブリをはさむ。それを重石《おもし》を強くしてこうじでつけたもので、非常にうまい漬け物である。 北陸....