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重罪
「重罪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重罪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
伝わっている。そのまた生命は誰のでも好《い》い、職に殉《じゅん》じた踏切り番でも
重罪犯人でも同じようにやはり刻薄に伝わっている。――そういう考えの意味のないこと....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
」 「しかとさようか」 「相違ござりません」 これに次ぎて白糸はむぞうさにその
重罪をも白状したりき。裁判長は直ちに訊問を中止して、即刻この日の公判を終われり。....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
「よい。泰親が願意、聴きとどけて取らせ申そう。但《ただ》しこれを仕損じたら彼は
重罪じゃ。それらのことも入道より彼にとくと申し含《ふく》められい」 「早速の御|....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
士コハクがこれを完成させたとき、大統領は有頂天になって悦んだものである。国一番の
重罪人を試験台として試みたところ、たちまちミルキの希望どおりの模範人間に改造でき....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
き去りを食うわけで、命を取られないのが仕合わせだったかも知れませんよ。お留は無論
重罪ですから、引き廻しの上、千住で磔刑《はりつけ》にかけられました」 これで魚....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
関係があったせいであろうが、老人は江戸の火事の話をよく知っていた。放火はもちろん
重罪であるが、火事場どろぼうも昔は死罪であったなどと云った。そのうちに、老人は笑....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
網打尽の大捕物ってことになったんです……え? ええそりゃアもう、女将は、亭主同様
重罪でしたよ。 (「新青年」昭和十一年九月号)....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
話もなく手術をしてくれる。しかし貧乏人にはそうは行かない。 堕胎はフランスでは
重罪だ。が、こんど、それを軽罪にしたかするとかいう話を、四、五日前の新聞で見た。....
「火薬船」より 著者:海野十三
もどれと、船長の命令か。無理もない、船長の許可なくして船をぬけだすことは、一番の
重罪だからな」 「じゃあ、やりますかね」 「なにを?」 「なにをって、竹の手足を....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
、二本の重い鉄の鎖を通した。その鎖のはしは、床下に、しっかりと埋っている。まるで
重罪人あつかいだ。 「おい、できたか。どうもこの悪臭には、降参だな」 「もう大丈....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
った前非を悔いたのだ。 * 由分社宛・明治三十九年五月 どうせ食うなら
重罪の方が面白い。軽罪はあまり気がきかない。無罪ならもっとも妙だ。看守さんに聞い....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
、彼はほほえんだ。「中央と違って、地方には余りおもしろい事件もありません。稀には
重罪犯人も出ますけれども、何分にも土地が狭いもんですから、すぐに発覚してしまいま....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
が行われたのはいうまでもない。たとい幽霊の訴えがあったにもせよ、こうして隠れたる
重罪犯を摘発し得たのは、李香の包孝粛によるのだからというので、県令からも幾らかの....
「放し鰻」より 著者:岡本綺堂
とも、かれは預りの金を奪わんがために毒酒を平吉に贈ったのであるから、容易ならざる
重罪人である。女房も詮議がだんだんきびしくなって来たのを恐れて、罪の重荷を放しう....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
、哀惜の言葉と、心からの涙を注いだのである。 ところが、その死後、いつも彼が、
重罪犯人の訴訟記録をしまっていた事務机の中から、悲歎にくれた公証人が、次のような....