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重荷
「重荷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重荷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
芳を囲い出した後は、――彼は家庭のいざこざの外にも彼等の知らない金の工面にいつも
重荷を背負いつづけだった。しかも更に浅ましいことには年の若いお芳に惹《ひ》かれて....
「或る女」より 著者:有島武郎
この時わくがごとく持ち上がって来た心持ちとは比べものにならなかった。あらん限りの
重荷を洗いざらい思いきりよく投げすててしまって、身も心も何か大きな力に任しきるそ....
「或る女」より 著者:有島武郎
そうにもみ手をしながら、
「これであすこに大丈夫着いてくださりさえすればわたしは
重荷が一つ降りると申すものです。しかしこれからがあなたは御大抵《ごたいてい》じゃ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
た。吹きまく風にもまれて木という木は魔女の髪のように乱れ狂った。
二人の男女は
重荷の下に苦しみながら少しずつ倶知安《くっちゃん》の方に動いて行った。
椴松帯....
「星座」より 著者:有島武郎
んにも聞く必要はなかった、札幌に学んでいることすらも清逸の家庭にとっては十二分の
重荷であるのを清逸はよく知っている。弟の純次は低能に近いといっていいから尋常小学....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
来て待合わせたものと見える。大な支那革鞄を横倒しにして、えいこらさと腰を懸けた。
重荷に小附の折革鞄、慾張って挟んだ書物の、背のクロオスの文字が、伯林の、星の光は....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
尊さ難有さを繰返し繰返し説いて聞かせた。かのいたいけな少年少女たちは、この四つの
重荷の下にうめくように見やられた。彼等は十分に義務を教えられた。然し彼等の最上の....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
られず、と断念めた風に見える。年配六十二三の、気ばかり若い弥次郎兵衛。 さまで
重荷ではないそうで、唐草模様の天鵝絨の革鞄に信玄袋を引搦めて、こいつを片手。片手....
「橋」より 著者:池谷信三郎
、必然性がないことなのよ。それに、家名だとか、エチケットだとか、そういう無意義な
重荷を打ち壊す、強い意志を育ててくれる、何らの機会も環境も、私たちには与えられて....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いました……。』その気持は別に現世の時と些しも異りはしませぬ。兎に角これで初めて
重荷が降りたように感じ、自分に戻って寛ぎますが、ただ現世と異うのは、それから床を....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
劣情の焔によりて養われ、悔と悲の烟によりて培われ、過去の悪業に伴える、もろもろの
重荷が充ちみちている。この地獄から脱出すべき唯一の途は、ただ踵をかえして正道に戻....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
り鳩が歌い始めました。声も美しくエス・キリスト、さては天国の歓喜をほめたたえて、
重荷に苦しむものや、浮き世のつらさの限りをなめたものは、残らず来いとよび立てまし....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
出ていても、飯時になれあ直ぐ家のことを考える。あれだけでも僕みたいな者にゃ一種の
重荷だよ。それよりは何処でも構わず腹の空いた時に飛び込んで、自分の好きな物を食っ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
杖には似合わないだけ、あたかも人質に取られた形――可哀や、お主の身がわりに、恋の
重荷でへし折れよう。 「真個に済みませんでした。」 またぞろ先を越して、 「私....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ども夢のように思われたもので。 可心も讃嘆しています。半日拾いくらした。これが
重荷になった――故郷へ土産に、と書いています。 このあたりに、荒城の狭屋と称え....