重重[語句情報] »
重重
「重重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重重の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
突然久慈に向って、
「君、まだ君は、ヨーロッパ主義か。」
「うむ。」
と久慈は
重重しく頷いた。矢代は青ざめたままどしんと背を皮につけて静まると涙が両眼からこぼ....
「夜の靴」より 著者:横光利一
の呼吸を満たして来る。 参右衛門の仏間の十畳も、新藁でしっかり胴を縛った米俵が
重重しく床板を曲らせて積み上り、先ず主婦の清江の労苦も報われた見事な一年の収穫だ....
「涼亭」より 著者:田中貢太郎
、ばかばかしいじゃありませんか。【と、手にしていた書籍を投げるように側へ置いて、
重重しい顔をして】こう申しちゃなんですが、先生あなたのような学問と文章をお持ちに....
「西航日録」より 著者:井上円了
た、人をして画図中にありて行くかと疑わしむ。途上即吟あり。 瑞山雨霽夏光清、駅路
重重向仏京、桑野麦田看不尽、鉄車独破緑烟行。 (スイスの山は雨もはれて夏の光もす....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
りにむかしの人の跡(ゲーテ・シラー)を訪ねたのであった。) 瑞山雨霽夏光清、駅路
重重向行。 (瑞の山々は雨もあがって、夏の光もすがすがしく、鉄道をおもおもしく仏....
「澪標」より 著者:外村繁
る。雌※はあわただしく鳴き立てて、産卵を知らせる。歩き方も、雄※は勿体振った風に
重重しく交互に脚を上げて、悠然と歩く。が、雌※はまるでつんのめりそうな恰好で、尻....
「或る少女の死まで」より 著者:室生犀星
いるのが、時時、憂鬱な内部でむずむずと動いたりしていて、まるで檻の中の獣のように
重重しく陰気であるばかりではなく、とき折、小さな控え目な咳をしたりするのが何とな....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
私は毎年この季節になると、ことにこの霰を見ると幽遠な気がした。冬の一時のしらせが
重重しく叫ばれるような、慌しく非常に寂しい気をおこさせるのであった。父は茶室にこ....