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重量感
「重量感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重量感の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
の巨匠の中、セザンヌは観照に於て最もよく徹底している。彼は物質の本有する形態感、
重量感、触覚感等のものを、絵画によって三次元的の空間に描こうとした。吾人は彼の描....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
し、彼は、金色のケースと牡丹色とを好んでいるように思った。それは、あのお好み焼の
重量感と似通っていた。彼はきっと多くの種類の中から特にこの色を選んだにちがいなか....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
歌である。「ほどろほどろ」は、沫雪の降った形容だろうが、沫雪は降っても消え易く、
重量感からいえば軽い感じである。厳冬の雪のように固着の感じの反対で消え易い感じで....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
さの点では比較にならない。イ―十六は胴体が短く、ずんぐり太っていて、ドッシリした
重量感があり、近代式の百米選手の体格の条件に全く良く当てはまっているのである。ス....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
巧く言い現わしができないけれども、感傷とか甘さというものゝ喪失から来たこの現実の
重量感の負担であった。 私自身が昔から人をジロリと見る癖があったというが、そう....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
に、かれの決意がなみなみならぬものであるのを見てとった。同時にかれの人物に一種の
重量感を覚えた。その
重量感は、決してかれの言葉つきや態度から来るものではなかった....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
てかかる時、顔面蒼白に見えし「芸」の力、今に忘れず。当代松鶴のはいまだ聴かざれど
重量感ありて佳ならんと思う。 東都にては三笑亭可楽、三遊亭圓生、もっぱら、これ....
「歩くこと」より 著者:三好十郎
由なものになったような気がするのです。そして、そのようなキズナにつきまとっている
重量感が消えて、いっとき気楽になったような気がする。自分が自分からぬけだしてきた....
「雪村筆「茄子図」」より 著者:吉川英治
ちんと、うずくまっている姿で邪魔にもならない。しかし仔細にみると、二箇の大茄子の
重量感といい、花落ちの実や花の異様なモザイク風な描線の組み方といい、尋常でない画....