野呂間[語句情報] » 野呂間

「野呂間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野呂間の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
いだ》されたのは私《わたくし》故ではなく、全体了簡がけちんぼで、意地が悪くって、野呂間《のろま》だからとか何《なん》とか悉《こと/″\》く書いてあるから、藤原は....
街底の熔鉱炉」より 著者:佐左木俊郎
かも(掴まらなけりゃあ、やるがなあ……)って言っているんだけど、小父さんのような野呂間《のろま》なんかにはとても出来やしないんだよ。」 「でも、随分変な職業《し....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
りない。これしきの事をもし驚ろく者があったなら、それは人間と云う足の二本足りない野呂間《のろま》に極《きま》っている。人間は昔から野呂間である。であるから近頃に....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
」 かの女はむす子が巴里の街中でも、かの女を引っ抱えるようにして交通を危がり、野呂間野呂間と叱りながら、かの女の背中を撫でさするのを想った。かの女は自分の理論....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
本男児は腹でも切って、カムサツカの海の中にブチ落ちることだ。身体が小さくたって、野呂間な露助に負けてたまるもんじゃない。 「それに、我カムサツカの漁業は蟹罐詰ば....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ことなら、申し上げて、十手を取り上げてやるからそう思え!」 「ほんに、驚き入った野呂間だな! 竹町も、焼きが、まわったの」 と、今一人もつぶやいたが、 「しか....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
いて取りにくれば黙々として金を出すほうも、いかにもいぎりす人らしく、莫迦々々しく野呂間で、神経のふといところがうかがわれる。はるかむこうの芝生を豆のような人かげ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が立策 七十余城を一時に落した楽毅《がっき》が行い よくよく目をつけ考えみなせえ野呂間《のろま》じゃ天下の助けはできない ナポレオンでもワシントンでも 天下を治....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
う激昂《げっこう》した。 ジャヴェルから名前を忘れられた「こわがったに違いない野呂間弁護士《のろまべんごし》」たるマリユスについては、ジャヴェルもあまり念頭に....
孔乙己」より 著者:井上紅梅
歳から村の入口の咸享酒店の小僧になった。番頭さんの被仰るには、こいつは、見掛けが野呂間だから上客の側へは出せない。店先の仕事をさせよう。店先の袢天著は取付き易い....
おせん」より 著者:邦枝完二
つァいい匂だなァ。堪らねえ匂だ。――笠森の茶屋で、おせんを見てよだれを垂らしての野呂間達に、猪口半分でいいから、この湯を飲ましてやりてえ気がする。――」 どこ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
らの二人はどんなものかな。これも非常に気が合って、それで二人とも駄々っ子で、何か野呂間のようでもある。とにかく私も我儘者でかなり気むつかしやだが、この私を一度も....