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野地
「野地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「党生活者」より 著者:小林多喜二
て働いていた。小作料があまり酷なために、村の人が誰も手をつけない石ころだらけの「
野地《やじ》」を余分に耕やしていた。そこから少しでも作《さく》をあげて、暮しの足....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
団のうち、水戸の精鋭をあつめたと言わるる筑波組は三百余名で、他の六百余名は常陸下
野地方の百姓であった。中にはまた、京都方面から応援に来た志士もまじり、数名の婦人....
「読書法」より 著者:戸坂潤
えるように思った。一体私は今日の小説で、農民小説は大抵面白いように思うのである。
野地氏「平野の記録」は小作地管理人の地主への忠勤振りを描き、野原氏の「嵐の村」は....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
蛇となる。その形槌に類する故、槌蛇と呼んだと記憶すと。佐々木繁氏来示には、陸中遠
野地方で、草刈り誤って蛇の首を斬ると、三年経てその首槌形となり仇をなす。依ってか....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
かつて聖人、仙人、梵士および牛を護るに力《つと》めて神位に昇ったと。わが邦でも熊
野地方で古来牛を神物とし藤白王子以南は牛を放ち飼いにした。毎春猴舞わし来れば猴を....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
げて、指端の痛みを癒《いや》しもらう。他の色の鶏を捧ぐればますます痛むと見ゆ。熊
野地方では天狗が時に白鶏に化け現わるという。支那湖南の衡州府華光寺に、昔禅師あっ....
「作家への課題」より 著者:宮本百合子
織者である与作などが、われわれの前面に押し出されて来る。 作者が、北のはずれの
野地にかこまれた小寒村にさえも、生きている農村の人間のさまざまのタイプを描こうと....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ず、『五雑俎』※《びん》中の俗、年始に糞土を除かず、初五日に至りて輦《れん》して
野地に至り石を取って返ると。その通り蚕室は初子の日初めて掃除したので、子の日を用....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
血だらけになった百姓が仰向いて見ますと、氈鹿の膏無しに山猫の皮を前掛にしまして、
野地草の笠を背負い、八百目の鉄砲を提げて、 鹽「まアお怪我が無くって宜かったなア....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
船で、アコ長ととど助のふたりが苦笑しながらその後から天井裏へ這いこむ。 屋根の
野地板《のじいた》の裏がわが合掌なりに左右に垂れさがり、梁や化粧※《けしょうたる....
「瀞」より 著者:佐藤垢石
粗品であるのに、北山川の石は大きく滑らかに、青く白く淡紅に、この川の上流である吉
野地方一帯に古成層の岩質が押しひろがっているのに気づくであろう。 また十津川の....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
、会津方面の大平野を知らない山間の貧民を優待して開墾させるに限ると思う、自分は平
野地で生活が出来なくなったら、この谷へ引込んで、養蚕で米代を取って、蕎麦や粟の岡....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
外に多く伸びている草だから、そう名づけたのも自然である。岡山広島の二県、紀州の熊
野地方でも、彼岸花を狐草または狐花といっている処は多い。単に原野の草という以上に....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
き美濃の国、または信州の境に接した山村までに及んでいることは、それが交通盛んな平
野地方においても認められぬ処があるために、かえって遠い伝来のあることを考えしめる....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
てをしたかも知れない。近いころまで、それがまだ残っていたのは、東北では岩手県の遠
野地方などは千駄木、西のほうでは長崎県の下五島久賀島、佐賀県では厳木の山村、大分....