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野天風呂
「野天風呂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野天風呂の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「火の鳥」より 著者:太宰治
くつの石の段々を、ひい、ふう、みい、と小声でかぞえながら降りていって、谷間の底の
野天風呂にたどりつき、提燈を下に置いたら、すぐ傍を滔々《とうとう》と流れている谷....
「河明り」より 著者:岡本かの子
頂きますわ」 と云ったきり、私たちから離れて、すっかり事務所の男達の中に混り、
野天風呂も沸せば、応接用の室を片付けて、私たち女二人のための寝室も作った。 「森....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
こしの青い葉が夕風にほの白くみだれているのを見て、わたしは日露戦争の当時、満洲で
野天風呂を浴びたことを思い出した。海城、遼陽その他の城内にシナ人の湯屋があるが、....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
湯をたたえた温泉《いでゆ》の池である。屹立《きつりつ》する巌のあいだに湧く天然の
野天風呂――両側に迫る山峡を映して、緑の絵の具を溶かしたような湯の色だった。 ....
「姥捨」より 著者:太宰治
は傘をさし、夜なら提燈かはだか蝋燭もって、したの谷川まで降りていって川原の小さい
野天風呂にひたらなければならなかった。老夫婦ふたりきりで子供もなかったようだし、....
「創生記」より 著者:太宰治
って来たのである。三日、のたうち廻り、今朝快晴、苦痛全く去って、日の光まぶしく、
野天風呂にひたって、谷底の四、五の民屋見おろし、このたび杉山平助氏、ただちに拙稿....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
る。 七兵衛も、なにげなく、ちょっと挨拶のような真似《まね》をしただけで、その
野天風呂を過ぎると小屋がけがある。その小屋がけに夥《おびただ》しい衣類が脱ぎ捨て....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
にも、書いてある。
家康は、桃配《ももくばり》というところに陣を敷いていたが、
野天風呂を命じて、ふろ桶から首だけ浮かべて幕僚に策を授けた。これは、ほんとの秘史....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
温泉宿に泊まる。ここにも山の湯の宿屋の光景について精細の描写がある。温泉は河原の
野天風呂で、蛇が這い込んで温まっているのを発見して、驚いて飛びあがる。その夜は相....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
郎を訪ねた時の酔余のよろこびはこれである。音無川で水浴したのも私が最初。裏の畑の
野天風呂で晩秋に夕陽をあびて一風呂あびたのも私がはじまりだ。 私がたのしみにし....
「風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
こしの青い葉が夕風にほの白くみだれているのを見て、わたしは日露戦争の当時、満洲で
野天風呂を浴びたことを思い出した。海城・遼陽その他の城内には支那人の湯屋があるが....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
うと怪しむ者はない。 武蔵は、着物を立木の枝に懸け、大小を括り付けた。そして、
野天風呂の一つに体を浸けて、 「ああ」 と、石を枕に、眼をふさいだ。 今朝か....