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野宿
「野宿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野宿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
がす。ご坊様も血気に逸《はや》って近道をしてはなりましねえぞ、草臥《くたび》れて
野宿をしてからがここを行かっしゃるよりはましでござるに。はい、気を付けて行かっし....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ず、九月|一日のあの大地震であった。 「雀たちは……雀たちは……」 火を避けて
野宿しつつ、炎の中に飛ぶ炎の、小鳥の形を、真夜半かけて案じたが、家に帰ると、転げ....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
。三ツばかり谷へ下りては攀上り、下りては攀上りした時は、ちと心細くなった。昨夜は
野宿かと思ったぞ。 でもな、秋とは違って、日の入が遅いから、まあ、可かった。や....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
できない。 私の生れた町の側に石手川という川があり、ここの堤防にはよく癩患者が
野宿をしていた。 あるとき私はこの堤防の道幅の狭いところを歩いていると、乞食ら....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
みすべらして谷底へ落ちるおそれがある。 「しようがない。今夜、滝の音を聞きながら
野宿だ」 春木は、草の上に尻餅をついた。決心がつけば、
野宿もまたおもしろくない....
「超人間X号」より 著者:海野十三
心細くなってしまった。太陽もだいぶん下へさがっている。へたをすれば、この山の中に
野宿《のじゅく》しなくてはならない。 「困ったねえ、どこへ迷《まよ》いこんだのだ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
道の本筋へ出ようという考えじゃったが、早や遅い。 修業が足りんで、樹下、石上、
野宿も辛し、」 と打微笑み、 「鎌倉まで行きましょうよ。」 「それはそれは、御....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
を工面したのがはじまりで、一銭二銭、三銭じゃ木賃で泊めぬ夜も多し、日数をつもると
野宿も半分、京大阪と経めぐって、西は博多まで行ったっけ。 何んだか伊勢が気にな....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
行案内といえども取出さない事を盟約する。 小出しの外、旅費もこの中にある、……
野宿する覚悟です。 私は――」 とここで名告った。 八 「年は....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
だって入りましょう。……人間同士、構やしません。いえ、そこどころじゃあない、私は
野宿をしましてね、変だとも、おかしいとも、何とも言いようのない、ほほほ、男の何を....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
んで可いのさ。 ただそれは難かしい。島へ行くには船もいろうし、山の奥へ入るには
野宿だってしなけりゃならない。お前さんはお金子が自由だろう、我儘が出来るじゃあな....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
が、妙に、この男にばかり麻目が蒼い。 医師は落着いて、煙を吹かして、 「どこで
野宿をした時だ、今度の旅でか。」 「ううむ。」 と深く頭を振って、 「いつかの....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
かすると、神社仏閣、同行二人の形になりかねませんよ。) (巡礼結構。同行二人なら
野宿でもかまいません。) (ほ、ほ、ほ、よういわんわ。) 御免下さい。……だか....
「山吹」より 著者:泉鏡花
出しな。 人形使 や。 夫人 お出しなね。刃ものはないの。 人形使 野道、山道、
野宿だで、犬おどしは持っとりますだ。(腹がけのどんぶりより、錆びたるナイフを抽出....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
け、偃松帯に取付きて、ほっと一と息つく。時計を見れば、午後四時十五分也。そろそろ
野宿の用意を為さざるべからず。上り上りて、果して水を得るや否や。数町下に水ある処....