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「野山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
》らねばならないのであるから、そこで同行の約束《やくそく》が出来た。 かれは高野山《こうやさん》に籍《せき》を置くものだといった、年配四十五六、柔和《にゅうわ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
すぼらしい破屋で、煤のふさふさと下った真黒な潜戸の上の壁に、何の禁厭やら、上に春野山、と書いて、口の裂けた白黒まだらの狗の、前脚を立てた姿が、雨浸に浮び出でて朦....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
支え、ハアハア息を切るのだった。気がついてあたりを見廻わすと、こわそも如何に、高野山に紛れこんだのではないかと駭くほど、杉や欅の老樹が太い幹を重ねあって亭々と聳....
自叙伝」より 著者:大杉栄
た大宝寺の射的場のバッタ狩り。その後ろの丘の茸狩り。昔殿様の遊び場であった五十公野山の沢蟹狩り。また、昔々、何とかという大名が城を囲まれて、水路を断たれて、うん....
天守物語」より 著者:泉鏡花
ね、この姫路の城……ここから視れば長屋だが、……長屋の主人、それ、播磨守が、秋の野山へ鷹狩に、大勢で出掛けました。皆知っておいでだろう。空は高し、渡鳥、色鳥の鳴....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
腮から、わが声に驚いたように手を退けて言った。 「何しろ、水ものには違えねえだ。野山の狐|鼬なら、面が白いか、黄色ずら。青蛙のような色で、疣々が立って、はあ、嘴....
若菜のうち」より 著者:泉鏡花
家内が持って遣ろうというのだけれど、二十か、三十そこそこで双方|容子が好いのだと野山の景色にもなろうもの……紫末濃でも小桜縅でも何でもない。茶縞の布子と来て、菫....
栃の実」より 著者:泉鏡花
さえ行悩むのに、秋暑しという言葉は、残暑の酷しさより身にこたえる。また汗の目に、野山の赤いまで暑かった。洪水には荒れても、稲葉の色、青菜の影ばかりはあろうと思う....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
そうという相談に……どうでも、と言って乗せられたんです。 ……あの坊さんは、高野山とかの、金高なお宝ものを売りに出て来ているんでしょう。どことかの大金持だの、....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
とついて、その径と、畷の交叉点がゆるく三角になって、十坪ばかりの畑が一枚。見霽の野山の中に一つある。一方が広々とした刈田との境に、垣根もあったらしいが、竹も塀も....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
十八 「――(この上誰か、この手毬の持主に逢えるとなれば、爺さん、私は本望だ、野山に起臥して旅をするのもそのためだ。) と、話さっしゃるでの。村を賞められた....
露肆」より 著者:泉鏡花
うであすソ。それ利くであしょ。」と嘗め廻す体に、足許なんぞじろじろと見て商う。高野山秘法の名灸。 やにわに長い手を伸ばされて、はっと後しざりをする、娘の駒下駄....
中支遊記」より 著者:上村松園
歩いた。 支那の人達は悠々としているという話は度々聞いている。雲雀を籠にいれて野山に出かけ、それを籠から出して大空に鳴かせあって日を暮らすという話などよく聞く....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
らぬ紅の霞が懸る。…… 遠山の桜に髣髴たる色であるから、花の盛には相違ないが、野山にも、公園にも、数の植わった邸町にも、土地一統が、桜の名所として知った場所に....
雪柳」より 著者:泉鏡花
この事があってから、婆さんの尼は、坂東三十三番に、人だすけの灸を施し、やがては高野山に上って更に修行をすると云って、飄然と家を出た。扮装が、男の古帽子を被り、草....