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野州
「野州〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野州の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
。この日は風のない暖かなひよりで、樺林の間からは、菫色《すみれいろ》の光を帯びた
野州の山々の姿が何か来るのを待っているように、冷え冷えする高原の大気を透《とお》....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
一 次郎左衛門《じろざえもん》が
野州《やしゅう》佐野の宿《しゅく》を出る朝は一面に白い霜が降《お》りていた。彼に....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
を置いた。彼は翁の墓にひと束の草花をそなえて帰った。 あくる月のはじめである。
野州《やしゅう》の那須の住人那須八郎|宗重《むねしげ》から早馬で都へ注進して来た....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た」 「観世物の豹は本当に逃げたんですか」 「逃げたというのは例の噂で、上州から
野州の方を持ち廻っていたのだそうです。しかし、米吉の死んだのは本当です」 「そう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
すが、江戸の御金蔵破り……。あの一件は安政二年三月六日の夜のことで、藤岡藤十郎と
野州無宿の富蔵が共謀して、江戸城内へ忍び込み、御金蔵を破って小判四千両をぬすみ出....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う昔の探偵物語をはじめた。 「御承知の通り、安政二年二月六日の晩に、藤岡藤十郎、
野州無宿の富蔵、この二人が共謀して、江戸城本丸の御金蔵を破って、小判四千両をぬす....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で、ひとまず自分の家へ下げてやりました」 「下手人はやはり万力ですね」 「万力は
野州鹿沼在の者で、それから江戸を立ちのいて、故郷の叔父や兄に暇乞いをした上で、蓮....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
仲を好くしている、猿面冠者を敵にして立上るなら北条の亡ぼされぬ前に一日も早く上州
野州武州と切って出て北条に勢援すべきだが、仙道諸将とは予《かね》てよりの深仇《し....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
お湯に入る……ッてこれが、あまりないことさ。おまけに高尾のうまれ土地だところで、
野州塩原の温泉じゃないけども、段々の谷底に風呂場でもあるのかしら。ぼんやりと見て....
「虎」より 著者:岡本綺堂
にしろ珍しい猫に相違ないのだから、猫は猫として正直に観せればよかったのだ。これは
野州庚申山で生捕りましたる山猫でござい位のことにして置けば無事だったのだが、そこ....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
な、源之助自身の柄を考えないところの役もずいぶんある。例えば「四千両小判梅葉」の
野州無宿の富蔵・「牡丹灯籠」の伴蔵・宇都谷峠の文弥殺しの十兵衛などがそれで、唯菊....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
・荒芽山と迂廻して穂北へ達する一線である。その中心点が大塚と行徳と荒芽山である。
野州路や越後路はその裏道で甲斐の石和や武蔵の石浜は横路である。富山や京都は全く別....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
がちょっと思い出しても二三種あります。肥後国、阿蘇の連峰|猫嶽は特に人も知って、
野州にも一つあり、遠く能登の奥深い処にもある、と憶う。しかるに前述、獅子屋さん直....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
揚ぐ。 ○十一月、千歳座にて「四千両小判梅葉」を初演。九蔵の藤岡藤十郎、菊五郎の
野州の富蔵、いずれも好評。大詰の伝馬町牢内の場が眼新しく、市中の評判となる。 ○....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
に『草庵集』を見るようにいう由だが、頓阿時分に心をかけるのは余りだと訓える(『東
野州聞書』)。これは今川了俊が、近代頓阿を歌聖と称して『草庵集』とかいう家集を盗....