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野幇間
「野幇間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野幇間の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りですか」 「なに、見張りというわけでもねえ。あんまりからだが閑《ひま》だから、
野幇間《のだいこ》とおなじように、ここらへ出て来て岡釣りよ。そういう俺よりも、お....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
では下谷で小さい骨董屋のようなことを始め、傍らには昔なじみのお客のところを廻って
野幇間の真似もしているという男で、父とは以前から知っているのです。それが久振りで....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れにはさすがの先生も、ハタと当惑しました。 一人旅はいけない。そうかといって、
野幇間《のだいこ》の仙公には懲《こ》りている。薬籠持《やくろうもち》の国公は律義....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のでげす」 お伴の仙公は額を叩く。仙公という男は江戸から道庵先生がつれて来た、
野幇間《のだいこ》とまではいかない代物《しろもの》であります。道庵先生はこの仙公....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
、もと洋服のさい取を萎して、あざとい碁会所をやっていた――金六、ちゃら金という、
野幇間のような兀のちょいちょい顔を出すのが、ご新姐、ご新姐という、それがつい、口....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
道六に対しても、子分のデモ倉、プロ亀らに対しても、お出入りの馬鹿囃子に対しても、
野幇間《のだいこ》の仙公に対しても、その通り、例外というものがあっては平等が意味....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「金さんですか、お入りなさい」 難なく扉があいて身を現わしたのは、例によって
野幇間《のだいこ》まがいのゾロリとしたおっちょこちょいの金公でゲス。 忠作は本....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
き出した金公を見ると、どこで工面《くめん》したか、ゾロリとしたなりをして、本物の
野幇間《のだいこ》になりきっている。 「近ごろは、とんと御無沙汰のみつかまつりま....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
いう雑踏なのであろう。 武士、町人、鳶ノ者、折助、婢女、田舎者、職人から医者、
野幇間、芸者、茶屋女、女房子供――あらゆる社会の人々が、忙しそうに又|長閑そうに....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
こいつは、いい、覚念坊というやつは、よっぽど洒落れた坊主だと見えるの。……とんだ
野幇間《のだいこ》だ」 ひょろ松は、釣りこまれてニヤリと笑ったが、すぐ真顔にな....