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野心
「野心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
あるいはその物々しい忠義|呼《よば》わりの後に、あわよくば、家を横領しようとする
野心でもあるのかも知れない。――そう思うと修理は、どんな酷刑《こっけい》でも、こ....
「或る女」より 著者:有島武郎
考えられていた。葉子の頭に描かれた夫人は我《が》の強い、情の恣《ほしい》ままな、
野心の深い割合に手練《タクト》の露骨《ろこつ》な、良人《おっと》を軽く見てややと....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
、ゲーテや、クロムウェルや、ナイティンゲール女史やの肖像があった。その少女じみた
野心をその時の私は軽い皮肉の心で観ていたが、今から思うとただ笑い捨ててしまうこと....
「星座」より 著者:有島武郎
から叫ばれた。傍若無人《ぼうじゃくぶじん》に何か柿江と笑い合う声がしたと思うと、
野心家西山と空想家柿江とはもつれあってもう往来に出ているらしかった。
清逸の心....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
えがなかった。予はこう思うて胸のとどこおりが一切解けて終った。同時に旧友なる彼が
野心なき幸福を悦んだ。 欲を云えば際限がない。誰にも彼にも非常人的精進行為を続....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
る覚悟でいるんじゃないか。それだのにまだちっぽけな才能に未練を残して、柄にもない
野心を捨てかねていると見える。おれはどっちの生活にも真剣にはなれないのだ。おれの....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
もっと見えのいい形で私達の生活をきびしく取り囲んでいることはないだろうか。一人の
野心的政治家があるとする。彼は自己の
野心を満足せんが為めに、即ち彼の衷にあって表....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
。イタリア、ドイツ、日本等が全体主義に後退し、遂にそのイデオロギーを國家的民族的
野心の鬪爭の具に惡用するに到つたのは、ここにその最大の原因が存したのである。 ....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
わらず一度異境に旅寝しては意外に平気で遊んでいる。さらばといって、君に熱烈なある
野心があるとも思えない。ときどきの消息に、帰国ののちは山中に閑居するとか、朝鮮で....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
、これが企謀んだ処で、自分の身の上の事に過ぎぬ。あえて世間をどうしようなぞという
野心は無さそうに見えたのに―― お供の、奴の腰巾着然とした件の革鞄の方が、物騒....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
は少しも遠慮をする必要はなかったのです。しかし、何といっても、彼が文壇的に少しも
野心を持たないのなら別ですが、相応に乗り出したい気もし、自分を信じてもいながら、....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
して行く……。そしてかかる惨劇の起る動機はと問えば、多くは地上の権力者の只一片の
野心、只一場の出来心に過ぎないのである。 嗚呼友よ! 地上の人類は、まだまだ学....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
もないものに終ったが、予めお断りして置いた通り常にプレイする以外に研究の用意も、
野心もない私に、組織的なお話の出来ようはずがないから、この度はこれで責をふさぐ事....
「風波」より 著者:井上紅梅
待っているのが解らねえのか。この馬鹿野郎!」 七斤は田舎に住んではいるが少しく
野心を持っていた。彼の祖父から彼の代まで三代|鋤鍬を取らなかった。彼もまた先代の....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
とのことは考えられない。ふもとのほうから新しいコースを発見して登つてみようという
野心と熱意に欠けているのである。それをなし得るのは新人のほかにはない。 実際に....