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野心的
「野心的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野心的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
林はできませんでした。ユトランドの荒地より建築用の木材をも伐り得んとのダルガスの
野心的欲望は事実となりて現われませんでした。樅《もみ》はある程度まで成長して、そ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
もっと見えのいい形で私達の生活をきびしく取り囲んでいることはないだろうか。一人の
野心的政治家があるとする。彼は自己の野心を満足せんが為めに、即ち彼の衷にあって表....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
るこの横浜くんだりへ入りこんでからこっち、二人で嘗めあった数々の辛酸が彼等を一層
野心的にしていた。 私は先程から、二人の眼を避けて、屍体の横たわっている附近を....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
書いて下さい。葉子は世間が言うほど悪い女でもないんですよ。もちろん打算もあるし、
野心的なところもありますが、大体が最初の結婚の出発点が悪いんで、あんなふうに運命....
「文学に関する感想」より 著者:宮本百合子
ブルジョア批評と明らかに対立する種類のものであった。林が長い獄中生活の後、直ちに
野心的な大作に着手した意気に対して敬意を表すと同時に「青年」が一九三二年の封建的....
「「結婚の生態」」より 著者:宮本百合子
との結びつけかたの作為性への批判においてであったろう。 作者がこの作品に対して
野心的な態度をもって向ったことは、以上のような文学としての誤りそのもののなかにも....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
、それは文献学の分を超えたものと云わねばならぬ。――尤も所謂解釈学(之は文献学を
野心的に命名したものなのだ)によると、文献学的な範疇と現実的な範疇との論理学上の....
「ニッポン三週間」より 著者:宮本百合子
って、イデオロギー的理由がちゃんとあった。山川均の労芸を政治的に利用しようとした
野心的企てに==山川の政治理論に==賛成のものと不賛成のものとが分れたのだ。コミ....
「レンブラントの国」より 著者:野上豊一郎
調で頗る巧みに画面の上に浮き出している。 二十五歳の青年画家レンブラントはこの
野心的な大幅(5.3X7.1 ft.)に依って一躍して名を成したといわれるが、そ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
ている。日本人が支那人と違うところは、それが遥かにより好戦的、擾乱的、放縦、かつ
野心的なことにある。そしてケンプフェルの記述からすれば、支那における殺児による人....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
新手を試してみたという青春には、一層驚かされるではないか。端の歩突きを考えていた
野心的な棋師はほかにもあったに違いない。花田八段なども先手の場合には端の歩突きも....
「日記」より 著者:宮本百合子
の一対として、浄く結びつくこと――が出来るか出来ないかの別れ道となる。 三、男は
野心的な仕事熱中病につかれる。女は、家の暖さにかつえて、肝心の仕事さえ手につかな....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
は、従弟のロバアトより三つ四つも年上で、ロバアト同様、繊細で才能に恵まれ、そして
野心的であった。彼らは大きな希望を持って人世に出発した。父は、大法官であり――司....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
匙を投げた。――そう急ぐにも当らないことをと、独り語につぶやいて。 眠っていた
野心的な若さを、又八は、大坂へ来てからたたき起された。 ここではさかんに、人物....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
宮本家は主家の禄をうけていないし、せめてその父でもあればだが、歿後の一郷士の子が
野心的に参加してゆくとなれば、あの程度でついてゆくほかはあるまい。また、当時の彼....