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野放し
「野放し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野放しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の夜はあのように庇うてつかわしたが、それゆえに天下の重罪人を存ぜぬ事とは言い条、
野放しにさせたとあっては、これまた旗本の面目のためほってはおけぬ。どのような不審....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
八丈島へ送られました。奴は芝居小屋なんぞで窮屈な思いをしているよりも、島へ行って
野放しにされた方が仕合わせだったかも知れません。畜生のことですもの、島の役人だっ....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
と遊んでいた、渦が巻くようである。 これにはたじろいだ。 「牛飼も何もいない。
野放しだが大丈夫かい。……彼奴猛獣だからね。」 「何ともしゃあしましねえ。こちと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
出したがる奴で、よく世間で、可愛いい子には旅をさせろというが、この息子ばかりは、
野放しにしておいた日には締りがつかねえ」 といいながら、七兵衛は、一つ一つ金包を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
めかしたって誰もかまっちゃくれねえんだ、それよりか、おいらを少しの間でもいいから
野放しにしてくんな、あんなに広い原っぱがあるじゃねえか、あれ見な、あの森には真紅....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
があると同じに、闘牛にもそれ専門の牧場があって、そこでこの特別の牛類を蕃種させ、
野放しのまま、ひたすらその闘争精神を育成する。野ばなしと教育とは、こうして闘牛の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
混乱を突破して、なるほど、小さくはあるが、まだ子供ではあるが、一頭の熊がこの席へ
野放しに闖入《ちんにゅう》して来たことは、疑うべくもありません。 人間が驚くが....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら解放してやってくれてはどうです、こんな座敷牢へ押込めて置かなくても、広い世界へ
野放しにしてみたところで、人間のしでかす事なんぞは、タカの知れたものじゃありませ....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
り歩いたのだった。もう松や笹を立て並べて、年末の売出や買物に賑ってる街路を、俺は
野放しの犬のように、鼻をうそうそさせながら、足の向く方へと歩いていった。人の手前....
「風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
事をつくってくれたり、そういう彼等には全く戦陣の影がある。まったく野戦の状態で、
野放しにされた荒々しい野性が横溢しているのである。然し彼等の魂にはやはり驚くべき....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
か蟇とか、みんな考え深い顔付をしている。あの顔付は危険だ。動物園の鉄格子の外側へ
野放しにして、所もあろうに涅槃大学の印度哲学科でもうひと苦労考える苦労を重ねると....
「金の目銀の目」より 著者:豊島与志雄
くかぎり、見渡すことができました。山があり、森があり、野原があり、川があります。
野放しにした羊や馬なども、遊んでいます。 「そんなに悪いところではないでしょう」....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
は、家庭にも学校にも娯楽というものが殆どない。娯楽というと、家庭や学校を放れて、
野放しのものとならざるを得ぬ。今のように一般生活が貧困をきわめている時に、家庭の....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
ヤゲにもたせて帰らせた。 そのとき信長は三十四だ。信長は野良犬の親分みたいに、
野放しに育った男だ。誰のいいつけもきかず、マネもせず、勝手気ままを流儀にして、我....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
犯罪だったのであろうか。ああ、私は、虐殺や惨劇を喜びとする邪悪なやつを、世の中に
野放しにしてしまったのだろうか。そいつが弟を殺したのではなかろうか。 私は、そ....