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野暮
「野暮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野暮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片恋」より 著者:芥川竜之介
、国籍さえわからないんだ。女房持か、独り者か――そんな事は勿論、尋《き》くだけ、
野暮《やぼ》さ。可笑しいだろう。いくら片恋だって、あんまり莫迦《ばか》げている。....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、人知れない苦労が多かったろう。――え、金はどうした? そんな事は尋《き》くだけ
野暮だよ。僕は犬が死んだのさえ、病気かどうかと疑っているんだ。」
(大正九年十二月)....
「或る女」より 著者:有島武郎
たけれども、たった今いまいましい新聞の記事を見た葉子ではあり、いかにも西洋じみた
野暮《やぼ》くさい綿入《わたい》れを着ている葉子であった。服装に塵《ちり》ほどで....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
因縁がありませんから」 「そんな生意気なことを言うもんじゃない。骨折り賃だ。まあ
野暮を言わずに取っときたまえてことさ」 六十六銭五厘はまさに御者のポケットに闖....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
め組もおとなしく頷いた。 お源が横向きに口を出して、 「何があるの。」 「へ、
野暮な事を聞くもんだ。相変らず旨えものを食してやるのよ。黙って入物を出しねえな。....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
棒同然、腕に、火の舌を搦めて吹いて、右の不思議な花を微塵にしょうと苛っておるわ。
野暮めがな。はて、見ていれば綺麗なものを、仇花なりとも美しく咲かしておけば可い事....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
く。三味線の間も同一だ。どうです、意気なお方に釣合わぬ……ン、と一ツ刎ねないと、
野暮な矢の字が、とうふにかすがい、糠に釘でぐしゃりとならあね。 さすがに心得の....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
立てなさいまし。」 彼は胸を張って顔を上げた。 「そいつは嫌いだ。」 「もし、
野暮なようだが、またお慰み。日比谷で見合と申すのではございません。」 「飛んだ見....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ん、とそうして、お酒が飲みたかった。ああ、嬉しい。余り嬉しさに、わなわな震えて、
野暮なお酌をすると口惜い。稽古をするわ、私。……ちょっとその小さな掛花活を取って....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
処を、十月の半ば過ぎ、小春凪で、ちと逆上せるほどな暖かさに、下着さえ襲ねて重し、
野暮な縞も隠されず、頬被りがわりの鳥打帽で、朝から見物に出掛けた……この初阪とは....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ビスケットも、あるいは臘八の粥に増ろうも知れない。しかしこれを供えた白い手首は、
野暮なレエスから出たらしい。勿論だ。意気なばかりが女でない。同時に芬と、媚かしい....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
入れて、再び大音に、 「頼む。」 「ダカレケダカ、と云ってるじゃあないか。へん、
野暮め。」 「頼もう。」 「そいつも、一つ、タカノコモコ、と願いたいよ。……何し....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
見ると、一々動くようで蛇の鱗だと思って、悚然とした。」 三十九 「
野暮は言わない、私だって何も素人じゃあなし、お前さんの病な事も知ってるから、今め....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
たろう。 (どうだ深いか。) と一ツ当って見ると、己達は裸で泳がい……聞くだけ
野暮だ、と突懸り気味に、 (深え。) (二丈の上あるぜ。) と口を尖がらかした....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
え、張店の遊女に時刻を聞くのと、十五日|過に日をいうなあ、大の禁物だ。年代記にも
野暮の骨頂としてございますな。しかも今年は閏がねえ。」 「いえ、閏があろうとある....