野暮ったい[語句情報] » 野暮ったい

「野暮ったい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野暮ったいの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
パンドラの匣」より 著者:太宰治
心配になって来て、「うち、気がもめる」という事になった、というのがこの場合、頗る野暮ったいけれども、しかし、最も健全な考え方だと思われる。それに違いないのだ。女....
新ハムレット」より 著者:太宰治
とどいて、王さまも、お喜びなさって居られるのが当然のところ、こんな、わしみたいな野暮ったい老人にまで嫉妬なさるとは、さては、お内の首尾があまり上乗でないと、ポロ....
近眼芸妓と迷宮事件」より 著者:夢野久作
間に冷やかされながら例の面会室に来てみると、疑いもない愛子がチャント丸髷に結った野暮ったい奥様風で、椅子に腰をかけている。よほど心配な事があると見えて、顔色が真....
旅愁」より 著者:横光利一
なくるめく動揺を感じるのだった。 しかし、すぐ次ぎに、アルマンの熱情こめた少し野暮ったいほどの純情な眼で、マルグリットをじっと見詰めている燕尾服の姿が現れた。....
親友交歓」より 著者:太宰治
ば、彼にもお気の毒だし、女房もみじめだと思った。女房は、都会の女ではあるが、頗る野暮ったい不器量の、そうして何のおあいそも無い女である。私は女房を出すのは気が重....
惜別」より 著者:太宰治
星菫派とかいうのであろう、たいてい眼鏡をかけて、いかにも神経質らしく眉をひそめて野暮ったい風俗の私たちを睨み、文士劇などもしばしば仙台の劇場で開演せられ、俗物の....
認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
・のものを蔽うならば、それは貧弱な形の合理主義であり、ひからびた主知主義であり、野暮ったい科学主義であると云われる。その通りである。もし認識がそういう理論的・科....
表現」より 著者:宮本百合子
私は映画がすきなくせにいつも野暮ったい観かたばかりしているのだけれど、さきごろの「カッスル夫妻」でも、いろい....
或る作家の厄日」より 著者:豊島与志雄
と、僕は思うよ。」 彼女は深く頷いてるらしい。前屈みがちに坐っている。赤っぽく野暮ったい帯のしめ方が、へんにだぶついている。胸の肉が薄いかわりに、腹には贅肉が....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
るような恰好で、うっそりと腰をかけているのが、顎十郎。 漆紋《うるしもん》の、野暮ったい古帷子《ふるかたびら》の前を踏みひらいて毛脛を風に弄《なぶ》らせ、れい....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
枝さんはずっと隣りにいて、それに、あの方は、人殺しをするような、そんな――そんな野暮ったい――。」 「親分さん――、」紋之助と話していた円枝も、向うから口を入れ....