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「野梅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野梅の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
治四十一年) きぬや 明治四十三年十二月二十六日。 書院前の野梅に三輪の花を見つけた。年内に梅花を見るは珍らしい。霜に葉を紫に染めなされた黄....
博物誌」より 著者:岸田国士
の影像がひとりでに引っかかって来る。 最初に網にかかる影像は、道のそれである。野梅と桑の実の豊かにみのった二つの生垣に挟まれて、すべすべした砂利が骨のように露....
豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
していた。彼女の「野崎村」は艶《つや》にとぼしかったといえるかも知れなかったが、野梅《やばい》のようなお光と、白梅のような久松と、淡《うす》紅梅のお染とがよく語....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
だから俺が、どんなに、自分の死んだ親には、親不孝だったか分るだろう」 町なかの野梅は散った。江戸にはまだ桜はほとんどなかった。 わずかに、山の手の崖に、山桜....
雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
ころへ、咲きゃあいいに」 そこは、凸凹な湿地だ。枯れ蘆と、低い団栗の木、猫柳、野梅が二、三本。 高い、塀を廻って、彼は深夜の町へ出た。風みたいに、軒下を走る....
大岡越前」より 著者:吉川英治
悟しきった市十郎は、見ちがえるほど、顔いろもよくなり、眉も眸も、清々としていた。野梅が咲いていた。 やぶ鶯が、どこかで啼く。 市十郎は、そこに坐った。祖先の....