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野水
「野水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野水の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
のぞ》いていた。
六
お兼さんは黒い盆の上に載《の》せた平
野水《ひらのすい》と洋盃《コップ》を自分の前に置いて、「いかがでございますか」と....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
氷を歯で噛《か》み砕《くだ》いては、正直に残らず吐き出した。その代り日に数回|平
野水《ひらのすい》を一口ずつ飲まして貰う事にした。平
野水がくんくんと音を立てるよ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
このお話の時分にも、やはりふたりの客が逗留していました。ひとりは名古屋の俳諧師で
野水といい、ひとりは江戸の画家で文阿という人で、文阿の方が二十日ほども先に来て、....
「芭蕉について」より 著者:宮本百合子
に杖さす宿の気ちがひ 芭蕉《はせを》 二の尼に近衛の花のさかりきく
野水《やすゐ》 蝶はむぐらにとばかり鼻かむ 芭蕉《はせを》 芥子あまの....
「神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
割れではありますまいな」 「ヤ。そう見えるのも無理がない。実は当温泉居住の文士川
野水太郎君を訪ねてきたのだが、あいにく同君夫妻は旅行中。このまま帰るのも残念だか....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ますがあれは毒だからお止《よ》しなさい。枸櫞酸のでも毎日多量に飲むと痩せます。平
野水《ひらのすい》や曹達水《そうだすい》は毎日連飲すると腸を害します。食物も同じ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
きすだく虫の秋を、ここにもまた、生命のまたたきを灯に惜しむ、ふたりの熊野の曲が、
野水の喘くように、墻の外まで聞えていた。 すると、そこの灯を、忍び足に、外から....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しい対熊野勢力への思いをふたたびしているのである。 船、船、船 田辺が持つ熊
野水軍 正成がいま望んでやまないのはそれだった。 だが熊野三山のうちも、決し....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
でもあり、従って、読みづらい所でもあるのだろう。なにしろ、そうした意味からも、熊
野水軍と田辺の湛増の向背は、源平両勢力の均衡のカギを握っていたものといってよい。....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
四の巻の、 流行来て撫子かざる正月に 杜国 つづみ手向くる弁慶の宮
野水 寅の日の旦を鍛冶の急起きて 翁 などは、今でも何処かにそういう事....
「かぶらずし」より 著者:中谷宇吉郎
の連句の中に、去来《きょらい》の 又も大事の鮓《すし》を取出す という句がある。
野水《やすい》の「うそつきに自慢いはせて遊ぶらん」につけたもので、この鮓は、かぶ....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
の六代目の家のことで、私が一番はっきり覚えていることは、宏大な台所の揚板の下に平
野水の瓶が列をなしていたことである。六代目はウィスキイが強かった。 麻布の更科....