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野生
「野生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
く御母堂にもくれぐれもよろしく御伝えくださるべく候
一八九九年十月四日夜
星
野生
三隅ぬい様
どんな境遇をも凌《しの》ぎ凌いで進んでいこうとするような気禀....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
郎は失望したように云った。 「これからあなたと一緒に探しましょう」と、お冬はその
野生を発揮したように、いよいよ無遠慮に男の手を把《と》った。 こんな女に係り合....
「親子」より 著者:有島武郎
ぶら下がったり、轍にかけられた蕗の葉がどす黒く破れて泥にまみれたりしていた。彼は
野生になったティモシーの茎を抜き取って、その根もとのやわらかい甘味を噛みしめなど....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
た。僕はこの二人のレファインされたお坊ちゃんらしさが気にくわなかった。二人は僕の
野生的なのを馬鹿にしていたようだった。山形の次郎もお坊ちゃんだった。が、彼は長い....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
めに、これらの最もよき友からわれわれが見捨てられる時が来るかもしれない。諸君は、
野生の花が年々少なくなってゆくのに気はつきませんか。それは彼らの中の賢人どもが、....
「河明り」より 著者:岡本かの子
鶏をカレー入りのスチューにしたものは特に味がよかった。 「わたくしだって、こんな
野生のものを扱うの始めてですわ。学校の割烹科では、卒業生が馬来半島へ出張料理する....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
実を食べたこともあった。その生垣の外にひと株の大きい柳が立っている。それが自然の
野生であるか、あるいは隣りの家の所有であるか、そんなこともよく判らなかったが、と....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
連れて、福州から任地へ赴く途中、やはりこの潮州を通りかかると、元来このあたりには
野生の象が多くて、数百頭が群れをなしている。時あたかも秋の刈り入れ時であるので、....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
槲の林をゆき過ぎて、草むらに沿うて行きぬ。路の片側にはやや平らかなる土地ありて、
野生の燕麦をもって深く掩われたり。われらが林を出て、モルガンは五、六ヤードも前進....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ました。それに一|歩一|歩と川の両岸がのんびりと開けて行き、そこら中にはきれいな
野生の花が、所せきまで咲き匂っているのです。『まあ見事な百合の花……。』私は覚え....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
、ちょっとねめつけるくらいが関の山で、立ち止って見ようともしない。聞くにまったく
野生のものばかりだそうだ。僕の徳、はたしてこれを懐かしむるに足るかどうか。ナツメ....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
けっしておみすてにならない神さまのことをおもいました。ほんとうに神さまは、そこへ
野生のりんごの木をならせて、空腹をしのがせてくださいました。神さまはエリーザに、....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
伝えられていた。たとい人間をつかむという例は比較的に少ないにしても、人家の飼鳥や
野生の鳥類をつかみ去ることは珍らしくない。それらの害を払うためと、もう一つには御....
「我家の園芸」より 著者:岡本綺堂
糸すすき、縞すすき、鷹の羽すすきに過ぎない。しかも私の最も愛好するのは、そこらに
野生の薄である。これは宿根の多年草であるから、もとより種まきの世話もなく、年々歳....
「金持ちと鶏」より 著者:小川未明
なわをつけておかないと、空を飛んで、逃げてゆきます。これは対馬からきましたので、
野生の鶏でございます。」といいました。 金持ちは話を聞いただけで、はやびっくり....