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「野盗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野盗の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
畜犬談」より 著者:太宰治
犬の巣のごとく、組んずほぐれつ格闘の稽古にふけり、夜など無人の街路を風のごとく、野盗のごとくぞろぞろ大群をなして縦横に駈け廻っている。甲府の家ごと、家ごと、少く....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
るし、辺りをたずねても飼主の姿はみえぬし、てっきりこれは何処からか盗み出して来た野盗が持ち扱って、捨てて行ったものに違いあるまい――と独りぎめにきめてしまった。....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
辻風典馬といって、伊吹山から野洲川地方へわたって、生涯、血なまぐさい中に跳梁した野盗の頭目であった。 その辻風典馬の死は、もう十年も以前になるが、武蔵がまだ「....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
て来た権之助の方へ向けて、ぴたと白い穂先を突きつけていたのである。 ――さては野盗か。 と、とむねを衝たれて、振りかえると、後になった杉蔵も、いつのまにどこ....
三国志」より 著者:吉川英治
早速、われわれの旗挙げに、加盟をゆるすが、しかしわれらの志は、黄巾賊の輩の如く、野盗掠奪を旨とするのとは違うぞ。天下の塗炭を救い、害賊を討ち、国土に即した公権を....
三国志」より 著者:吉川英治
、怒れる獅子王の前に、ひれ伏したまま言い訳した。「何ぶんにも、その強盗が、ただの野盗や山賊などではございません、いずれも屈強な男ばかりでみな覆面しておりましたが....
三国志」より 著者:吉川英治
れすらなかった。 餓死するもの数知れぬ有様である。あげくの果て、着ている物まで野盗に襲われてはぎ取られてしまい、よろ這う如く十幾日かを逃げあるいていたが、顧み....
三国志」より 著者:吉川英治
遍く、諸州の害を掃って、予は今やいながらに天下を治めておる。なんで、交通の要路に野盗乱賊が出没しようか」 「いやいや。決してまだ天下は平定していません。漢中に張....
私本太平記」より 著者:吉川英治
卯木も、もちろん、交じっていなければならぬはずだった。 「ひどいなア。……まるで野盗が住んだあとみたいにして行きおった」 藤井寺の堂守は、ひとりで腹をたててい....
私本太平記」より 著者:吉川英治
半端な具足をつけ、また中には、ゆうべ限り六波羅方に見切りをつけて、たちどころに、野盗と変じた逃亡兵なども交じっているかと思われる烏合だった。 しかし、数には驚....
私本太平記」より 著者:吉川英治
分けまえ争いも、ひとりの女を捕えて身の皮を剥ぎ、その分け前で、仲間争いを演じ出す野盗山賊のつかみ合いも、何と大した違いはないものか。 後醍醐のご理想も。 新....
黒田如水」より 著者:吉川英治
小さい末姫さまを盗み出して、毛利家の使者へ手渡してしもうたのでござる。……しかも野盗のごとく、搦手から城外へ、白昼、風の如く姫さまを抱いて」 「ご一族の小川殿も....