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「野砲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野砲の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
檜《ひのき》のまばらに生えているもう一つの丘があった。そこには、同じ五十五師団の野砲隊が、野営をしていた。翌朝、広い平原の上に夜が明けると、白い霧がいっぱいに、....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
、敵かと思ったが、あとでわかったところによれば陸軍の中尉(山田少尉ともいう)で、野砲連隊の近くに降り、電線にひっかかったが、顔面の少負傷で助かり、部隊へ収容され....
永遠のみどり」より 著者:原民喜
場跡なのだが、今は引揚者、戦災者などの家が建ならび、一つの部落を形づくっている。野砲聯隊《やほうれんたい》の跡に彼の探す新生学園はあった。彼は園主に案内されて孤....
戦話」より 著者:岩野泡鳴
とぽと、ぽとぽとと聴える様になる。頭上では、また砲弾が破裂する。何のことはない、野砲、速射砲の破裂と光弾の光とがつづけざまにやって来るんやもの、かみ鳴りと稲妻と....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
際政治的自由の代理概念なのであり、自我が存在から受ける障碍というのはナポレオンの野砲の如きものを意味するのだろう。而も之が人格の自由として示されている処に、フィ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
という人類の夢の実現! なんという際限もない科学の征服慾! ――まるで射撃中の野砲の内部にでもいるよう、ぷろぺらと機関の音・音・音が完全に鼓膜を独占して、耳の....
原爆詩集」より 著者:峠三吉
立っている君たちの その不思議そうな瞳に にいさんや父さんがしがみつかされていた野砲が 赤錆びてころがり クローバの窪みで 外国の兵隊と女のひとが ねそべってい....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
、およそわびしいかぎりの光景であつたようだ。 幹の細長い木立の中に陣地を構えた野砲兵が敵にむかつて盛んに砲撃をやつている。 一発うつたびに白い煙がぱつと立つ....
兵士と女優」より 著者:渡辺温
ないのだとも云える。もっとも、たった一度、我軍のタンクを草むらの中から覗っている野砲があったので、一人の勇士がタンクを乗り捨てて手擲弾でその野砲を退治してみたと....
入営する青年たちは何をなすべきか」より 著者:黒島伝治
か? そして、班長のサル又や襦袢の洗濯をさせられたり、銃の使い方や、機関銃や、野砲の撃ち方を習う。毎朝点呼から消燈時間まで、勤務や演習や教練で休むひまがない。....
戦死者の凱旋」より 著者:田中貢太郎
この話は長谷川伸君から聞いた話であるが、長谷川君は日露|役の際、即ち明治三十七年の暮に、補充兵として国府台の野砲連隊へ入営した。その時長谷川君のいた第六中隊は、中隊長代理として畑|俊六将軍....