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「野良〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野良の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
太郎は意気|揚々《ようよう》と鬼が島征伐の途《と》に上《のぼ》った。すると大きい野良犬《のらいぬ》が一匹、饑《う》えた眼を光らせながら、こう桃太郎へ声をかけた。....
」より 著者:芥川竜之介
》らしそうに、 「まだあすこに吠《ほ》えているわ。ほんとうに図々《ずうずう》しい野良犬《のらいぬ》ね。」などと、地だんだを踏んでいるのです。坊ちゃんも、――坊ち....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
一本の鍬《くわ》で四町にあまる畑の一隅から掘り起しはじめた。外《ほか》の小作人は野良《のら》仕事に片をつけて、今は雪囲《ゆきがこい》をしたり薪を切ったりして小屋....
婦系図」より 著者:泉鏡花
と、皆欲がるンだから……」 「これ、」 旦那様苦い顔で、 「端近で何の事たい、野良猫に扱いやあがる。」 「だっ……て、」 「め組も黙って笑ってる事はない、何か....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
必要を生じ、また本来の目的とする収穫を得るための準備として一定の季節にいろいろな野良仕事をしなければならなくなった。しかるに季節の循環は地球に対する太陽の位置の....
紅玉」より 著者:泉鏡花
蓋をした貝だと思え。うかつに嘴を入れると最後、大事な舌を挟まれる。やがて意地汚の野良犬が来て舐めよう。這奴四足めに瀬踏をさせて、可いとなって、その後で取蒐ろう。....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
と姥は謹んだ、顔色して、 「爺どのはお庇と何事もござりませんで、今日も鶴谷様の野良へ手伝いに参っております。」 「じゃ、その嘉吉と云うのばかりが、変な目に逢っ....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
へぎ盆に取って、上客からずらりと席順に配って歩行いて、「くいなせえましょう。」と野良声を出したのを、何だとまあ思います? (――鴾の細君京千代のお京さんの茶の間....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
見境いなく着つづけていたので、花聟の衣裳は磨り切れて艶々しい色も褪せ、荒野の悪い野良犬や尖った茨にその柔らかな布地は引き裂かれてしまった。 昼のあいだ、太陽が....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
。 尤も、最初は別に私をお宮に祀るまでの話が出た訳ではなく、時々思い出しては、野良への往来に私の墓に香花を手向ける位のことだったそうでございますが、その後不図....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
赤鬼の形相のままで、蝙蝠を吹かしながら、射的店へ話をつけた。此奴は褌にするため、野良猫の三毛を退治て、二月越内証で、もの置で皮を乾したそうである。 笑話の翌朝....
初雪」より 著者:秋田滋
の卵の値段にも興味がもてるものだと云うことが解った。 夏だったので、彼女はよく野良へ行って、百姓が作物を穫っているのを見た。明るい陽ざしを浴びていると、彼女の....
親ごころ」より 著者:秋田滋
の姿をみると、悲しそうな顔をして、情けない声をしぼって哀れを訴えた。また、正午の野良で、一株の木のまわりに集って弁当をつかっている百姓の一団を見かけると、一片の....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
調子はずれの文章は、既に文章たる価値の一半を失ったものと断言することを得。ただし野良調子を張上げて田園がったり、お座敷へ出て失礼な裸踊りをするようなのは調子に合....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
る。あっけに取られた時でした。 (やあ――やあ――やあ――) と山裾の方から、野良声を掛けて、背後の畝を伝って来た、鍬をさげた爺さんが、 (やあ、お前様いけま....