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「野良仕事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野良仕事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
電報」より 著者:黒島伝治
、と常々から思っている源作も、今は、妻の言葉を退ける気になれなかった。 源作が野良仕事に出ている留守に、おきのの叔父が来た。 「そちな、子供を中学校へやったと....
「紋」」より 著者:黒島伝治
えたばかりの竈の中へにじりこんで寝たりするので、毛は黒く汚れていた。ばあさんも、野良仕事が忙しくって洗ってやりもしなかった。 「おとなしに、何でも貰うて食うて行....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
必要を生じ、また本来の目的とする収穫を得るための準備として一定の季節にいろいろな野良仕事をしなければならなくなった。しかるに季節の循環は地球に対する太陽の位置の....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
は隣り村に大きいうわばみが出て、田畑をあらし廻るので、男も女もみな恐れをなして、野良仕事に出る者もなくなった。このままにしておいては田畑に草が生えるばかりである....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
たおはぎも全くお百姓流のもので、生意気な学生である私の口には合わなかった。それは野良仕事をする人達の握飯みたいな大きなもので、ご飯ばかり多くて餡は少かった、砂糖....
風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
しの農家出の生徒と同宿したが、奇妙な男で、あたたかい御飯は食べない。子供の時から野良仕事で冷飯ばかり食って育ったので、あたたかい御飯はどうしても食べる気にならな....
窃む女」より 著者:黒島伝治
よく働く女だった。一年あまり清吉が病んで仕事が出来なかったが、彼女は家の事から、野良仕事、山の仕事、村の人夫まで、一人でやってのけた。子供の面倒も見てやるし、清....
老夫婦」より 著者:黒島伝治
人らしく、垢ぬけがして、親の眼にも何だか品が出来たように思われだすと、おしかは、野良仕事をさすのが勿体ないような気がしだした。両人は息子がえらくなるのがたのしみ....
釣り師の心境」より 著者:坂口安吾
い。たゞ水面をジッと睨むと、魚がいるかいないかチャンと分る名人なのだそうである。野良仕事の行き帰りに、川や湾をジッと睨んで、チャンと頭にとめておいて、釣りに行こ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
生きているオヤジの見おさめは、その日の夕方さ。いったんお邸から戻ってきて、たまに野良仕事をするときの百姓姿に着替えて出かけましたよ。今晩は帰らないかも知れないと....
桂馬の幻想」より 著者:坂口安吾
だよ。あの出戻りは野良へでたことなんてありやしない。ヨメ入り先から逃げだしたのも野良仕事がキライだからだ」 「茶店だけで暮しがたつんですか」 「バカな」 「お金....
光は影を」より 著者:岸田国士
なあ、野良へ出るのに鍬までかついでやる必要があるかどうかだ」 「ほゝう、やつぱり野良仕事はさせるのか」 「そいつはしかたがあるめえ。お袋もいるし、弟夫婦もいるだ....
母と娘」より 著者:岡本かの子
然かも濁った水よ。駅や小学校の控室には飲用水の代りに葡萄酒が備えてあるの。農夫は野良仕事に葡萄酒を壜に詰めてぶら下げて行きます。煮炊きするのに水の代りに葡萄酒を....
錦紗」より 著者:犬田卯
人もあった。 「蟇口失くしたんだ」と彼女は判然と答えるのであった。 四野良仕事など容易に手につかなかった。彼女はもう近所の人にも公然と言明して、こない....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
ほど米がとれなくもなかったし、人手不足もどうやら馴れっこになってしまった。事実、野良仕事など、やりよう一つでどうにでもなったし、肥料などに至っては、幾キロ施した....