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「野良犬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野良犬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
太郎は意気|揚々《ようよう》と鬼が島征伐の途《と》に上《のぼ》った。すると大きい野良犬《のらいぬ》が一匹、饑《う》えた眼を光らせながら、こう桃太郎へ声をかけた。....
」より 著者:芥川竜之介
》らしそうに、 「まだあすこに吠《ほ》えているわ。ほんとうに図々《ずうずう》しい野良犬《のらいぬ》ね。」などと、地だんだを踏んでいるのです。坊ちゃんも、――坊ち....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
き、ほたるを眺めようとしていた私の期待は裏切られた。その代りに犬は多い。飼い犬と野良犬がしきりに吠えている。 幾月か住んでいるうちに、買物の不便にも馴れた。電....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
のために切断したのでもない。おそらく何かの子細で路ばたに捨てられていたところを、野良犬か狼のような獣のために片足を啖い切られたらしいと、その疵口の模様によって庄....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
ったと思うと、さっと城壁のかげにとびこみ、姿を消した。いや、狼ではなく、飢えたる野良犬《のらいぬ》であったかも知れない。その犬とも狼ともつかないものが振返った方....
紅玉」より 著者:泉鏡花
蓋をした貝だと思え。うかつに嘴を入れると最後、大事な舌を挟まれる。やがて意地汚の野良犬が来て舐めよう。這奴四足めに瀬踏をさせて、可いとなって、その後で取蒐ろう。....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
見境いなく着つづけていたので、花聟の衣裳は磨り切れて艶々しい色も褪せ、荒野の悪い野良犬や尖った茨にその柔らかな布地は引き裂かれてしまった。 昼のあいだ、太陽が....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
骸のそばに泣いていた。これは着物を着たままで、からだには何の疵もなかった。幸いに野良犬にも咬まれずに無事に泣きつづけていたらしい。その赤児から手がかりがついて、....
」より 著者:岡本綺堂
うにもなる。それがうるさいので、父ももう打捨てては置かれなくなった。 「おおかた野良犬でも這い込むのだろう。」 こうは言いながらも、ともかくもそれを実験するた....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
されてしまった。血みどろになった二つの死屍は折り柄ふりしきる春雨に洗われながら、野良犬の亡骸のように川原に投げ捨てられた。大勢の家来はとうに皆逃げ散ってしまって....
山吹」より 著者:泉鏡花
たか知らねえが、わんぐりと歯形が残って、蛆がついては堪らねえ。先刻も見ていりゃ、野良犬が嗅いで嗅放しで失せおった。犬も食わねえとはこの事だ。おのれ竜にもなる奴が....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
「ウシ、ウシ、ウシウシ。」もののたとえにさえ云う……枯柳の川端を、のそのそと来た野良犬を、何と、佐川田喜六の蛙以上に可恐しがる、能職三十九歳の男に「ウシ、ウシ」....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
いていた犬の子を拾って育て上げたように書いてあるが、事実は役所の帰途に随いて来た野良犬をズルズルベッタリに飼犬としてしまったので、『平凡』にある通りな狐のような....
郊外生活の一年」より 著者:岡本綺堂
聴き、ほたるを眺めようとしていた私の期待は裏切られた。その代りは犬は多い。飼犬と野良犬がしきりに吠えている。 幾月か住んでいるうちに、買い物の不便にも馴れた。....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
った。いちど大連にわたってから旅順に舞戻り、再び牛肉の行商を始めながら化物屋敷で野良犬と二人(?)きりで同居したこともある。奉天の掘立小屋に住んで亜炭を売り、鉄....