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野苺
「野苺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野苺の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旧主人」より 著者:島崎藤村
》を賞めて通ったことを憶出《おもいだ》しました。岡の畠へ通う道々妹と一緒に摘んだ
野苺《のいちご》の黄な実を憶出しました。楽しい菱野《ひしの》の薬師参を憶出しまし....
「火星の魔術師」より 著者:蘭郁二郎
すが、私たちが食用にするような栽培されている小麦はその三倍の四十二です、それから
野苺は十四ですが私たちが食べるような苺はその四倍の五十六、こんな風に、つまり染色....
「モスクワの辻馬車」より 著者:宮本百合子
室には昔風なペチカ(暖炉)がたかれ、暖かい。丁度茶を飲んでるところで、テーブルに
野苺のジャムが出ていた。 ――一口お茶のんでいらっしゃいよ。明日の晩はもう飲み....
「美しい村」より 著者:堀辰雄
美しい流れに沿うて歩き出すと、その径《みち》にずっと笹縁《ささべり》をつけている
野苺《のいちご》にも、ちょっと人目につかないような花が一ぱい咲いていて、それが或....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たにならなくては駄目だわ。 ではあした。ちょっと、こんなのがこの頁にあるわ、「
野苺の願」。私を啄《ついば》んで頂戴な、そこを。それから、ここを。ええ、ええ。そ....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
僕たちだけがまるはだかだ」 「へんなことを言うようですけれども、君はまるはだかの
野苺と着飾った市場の苺とどちらに誇りを感じます。登竜門というものは、ひとを市場へ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
前を通って、陽の眩ゆい草原の道を真直ぐに進みながら、小さい兄妹はえんじ色にうれた
野苺を見つけて、わざと草深い中を歩きながら両手にあまるほど苺を摘んだ。 「こんな....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
にあお白く、時々見える唇の色が、べにを注したように紅いのが気味悪いまでに美しく、
野苺に捲きついた青大将だと、こう形容をしたところで、さらに誇張とは思われない。開....