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野菜物
「野菜物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野菜物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
、お前此処に居て留守居をして荒物や駄菓子でも并《なら》べて居りゃア、此処は花売や
野菜物《せんざいもの》を売る者が来て休む処で、何《なん》でもポカ/\捌《はけ》る....
「或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
吾助爺はこの洪水のような雑踏の中を押し切って、毎朝|神田《かんだ》の青物市場へ
野菜物を満載した荷車を曳いていくのだった。 2 青バスが爆音を立....
「私の父」より 著者:堺利彦
に浮ぶ。五日に一度くらい働きにくる小六という若い百姓男を相手にして、父はあらゆる
野菜物を作っていた。大根、桜島、蕪菜、朝鮮芋(さつま芋)、荒苧(里芋)、豌豆、唐....
「黴」より 著者:徳田秋声
娘はあまり顔出しをしなかった。 使いあるきの出来ない母親の代りに、安くて新しい
野菜物を、通りからうんと買い込んで来た娘が、傘をさして木戸口から入る姿が、四畳半....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
困った事には手が長くなる癖があった。さまで貧でもないが、よく近所のものを盗んだ。
野菜物を採る。甘藷を掘る。下肥を汲む。木の苗を盗む。近所の事ではあり、病気と皆が....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
をかなり買い込んで帰ってきました。Oは、私が料理をするときにはいつもするように、
野菜物の下ごしらえの手つだいをしていました。そこにMさんがYを連れて見えました。....
「香奠」より 著者:豊島与志雄
。牛肉と海の魚類とを除いては、凡てあり余るほどあります。米は何俵も蓄えてあるし、
野菜物は畑から一度に畚《もっこ》一杯も取って来るし、鶏といえば必ず一羽ですし、川....
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
いろなことを聞き出した。辰さんはこちらに用がふえて来てることが多く、合間には畑の
野菜物、遅蒔きの茄子や大根の手入れをしていた。その仕事を長谷川が通りがかりに佇ん....
「砂糖泥棒」より 著者:黒島伝治
やめて、田は地主へ返えしてしまった。そして、親譲りの二反歩ほどの畠に、妻が一人で
野菜物や麦を作っていた。 「俺らあ、嚊がまた子供を産んで寝よるし、暇を出されちゃ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
かけこんだ。 畑といってもたいしたものではなかった。それへなんでもうちで食べる
野菜物は残らずじゃがいもでもキャベツでも、にんじんでも、かぶでも作りこんであった....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
室を修理することも、ガラスのフレームを新しく買うこともできないので、わたしたちは
野菜物やおおいの要らないじょうぶな花を作っていた。これはたいしたもうけにはならな....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
の下宿屋を始める。しかしながら彼ら地方人の人は、田舎にいて自分で作った米、味噌、
野菜物を充分使っていた癖がついて、どしどし仕入れる。そして月末の勘定を払う時初め....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
た。 「肴は何があるな。甲州街道へ来て新らしい魚類を所望する程野暮ではない。何か
野菜物か、それとも若鮎でもあれば魚田が好いな」 「ところがお侍様、お祭中はいきの....
「公園の花と毒蛾」より 著者:小川未明
公園ですよ。まあ、いってごらんなさい。それは、大きななすや、みごとなきゅうりや、
野菜物はなんでもありますから。大根なんか、どうしてあんな太いのがあるかと思われる....
「世間師」より 著者:小栗風葉
屋なしのカンテラを点して、三十五六の棒手振らしい男が、荷籠を下ろして、売れ残りの
野菜物に水を与れていた。私は泊り客かと思ったら、後でこの家の亭主と知れた。 「泊....