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「野辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たのであろう。釣り好きではあるが、彼は泳ぎを知らなかった。 鳥亀の女房お六は上野辺で茶屋奉公をしていた女で、夫婦のあいだに子はなかった。その頃、軍鶏屋へ来て鳥....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
下の二十七で、少々しいのも気の弱そうに見えるのが、今夜の会には打ってつけたような野辺送りの帰りと云う。 気のせいか、沈んで、悄れて見える処へ、打撞かったその冷....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
さん」 「飛行船隊の中から、一隻、アクロン号というのが、陸奥湾を横断して、唯今、野辺地の上空を通っているのだ」 「どこへ、逃げてゆくのかしら」 「莫迦だなア、君....
食魔」より 著者:岡本かの子
いてることでもあり葬儀万端|然るべくという返事なので鼈四郎は、主に立って取仕切り野辺の煙りにしたことであった。 その遺骨を携えて鼈四郎は東京に出て来た。東京生....
ルバイヤート」より 著者:小川亮作
装いをこらしているのに、 道学者などの言うことなどに耳を傾けるものでない。 この野辺を人はかぎりなく通って行く、 摘むべき花は早く摘むがよい、身を摘まれぬうちに....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
よしなやと、急がぬ道をいつのまに、越ゆる我身の死出の山、死出の田長の田がりよし、野辺より先を見渡せば、過ぎし冬至の冬枯の、木の間木の間にちらちらと、ぬき身の槍の....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
余の事、別儀でもござりませぬ。 老人、あの当時、……されば後月、九月の上旬。上野辺のある舞台において、初番に間狂言、那須の語。本役には釣狐のシテ、白蔵主を致し....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
フルが、いろいろくるしい旅をつづけたあげく、年中ゆりの花のさいていてたのしい緑の野辺について、ちょうど今のあたしたちのように、目的地にむかって、また出発する前に....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
で、その役割は萩原新三郎(中村竹三郎)飯島の娘お露(大谷友吉)飯島の下女お米、宮野辺源次郎(中村芝鶴)飯島平左衛門(嵐鱗昇)飯島の妾お国(市川福之丞)飯島の中間....
」より 著者:秋田滋
しまって、もう考えも何もなくなってしまいました。わたくしはただ泣くばかりでした。野辺の送りのさまざまな行事がとり行われている間は、わたくしの劇しい苦しみは、気で....
正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
多い。見るもの、聞くもの、戦捷の新年風景ならざるはない。 かゝる夜の月も見にけり野辺送り これは俳人去来が中秋名月の夜に、甥の柩を送った時の句である。私も叔父....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
て、事務長以下十数人、遺骸を奉じて埠頭を去る三|哩なるパセパンシャンの丘巓に仮の野辺送りをし、日本の在留僧釈梅仙を請じて慇ろに読経供養し、月白く露深き丘の上に遥....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
子供などは馬の駈競をやって始終遊んで居るけれども、貧乏人の子供はそうはいかんから野辺へ出掛けて行って馬の形をして居る岩に捉まって、一生懸命走って居るつもりでその....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
て小萩がうへに雨そそぐなり 永福門院 花の色はかくれぬほどにほのかなる霧の夕の野辺のをちかた 従三位為子 夕暮はかならず人をこひなれて日もかたぶけばすでに....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
に思うた。彼は恍惚として、自我を忘れてしまった。 彼は再び地上に出た時に、彼は野辺の欅の木の下で、瞑想三昧に耽っている一人の青年を見た。 彼は夜露にあたるこ....