野辺送り[語句情報] » 野辺送り

「野辺送り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野辺送りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
親切に世話を致しまして、谷中《やなか》日暮里《にっぽり》の青雲寺《せいうんじ》へ野辺送りを致しました。これが怪談の発端でござります。 六 ....
鉄鎚」より 著者:夢野久作
来たり、アルコールと綿を買って来て親父の身体《からだ》を綺麗に拭き上げたりして、野辺送りを簡単に済ますと、親類や近所の人達に挨拶をして私を自分の店に引き取った。....
空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
通夜に来ていた近所の人々は、ジッとしていられないような気持になった。胎児と母親の野辺送りをした帰りがけにも、敬吾はトロンとした眼で、白木の墓標をふりかえって、 ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
下の二十七で、少々しいのも気の弱そうに見えるのが、今夜の会には打ってつけたような野辺送りの帰りと云う。 気のせいか、沈んで、悄れて見える処へ、打撞かったその冷....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
え宜しゅうございましょう」 と親切らしく主人が其の晩の中に、自分も随いて行って野辺送りを致してしまいました。 三十三 其の晩に脱出して、彼の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
悲壮な意志は後日を待つまでもなく、おそらく将軍職を拝してから間もなかった霜夜の御野辺送りを済ました時に、すでにこの人の内に動いたであろう。 慶応三年といえば西....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
いただきたい。そう思って、おれが連れて来たに。」 と桑作は言った。 間もなく野辺送りの一行は順に列をつくって、寺道の方へ動き出した。高く掲げた一対の白張提灯....
父杉山茂丸を語る」より 著者:夢野久作
層の事、告別式をどこかの野ッ原に持出して、野人葬とすればよかったかも知れないね。野辺送りという位だから……ハハハ」 悔状は一々私が開封して眼を通したが、やはり....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
したけれども、飯島の家は改易と決り、飯島の死骸は谷中新幡随院へおくり、こっそりと野辺送りをしてしまいました。こちらは孝助、御主人が私の為めに一命をお捨てなされた....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
。拠なく此の事を訴えますと、検屍|事済になって死骸を引取りまして、下谷の広徳寺に野辺送りをする事に成りましたが、誰が殺したか頓と知れませんで居りましたが、是が自....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
れて死んだ事であると分ったので事果てましたから、死骸はまず佐十郎方へ引取らせて、野辺送りをいたしました。初めは少しむずかしかったが、松五郎お瀧も別に処分もありま....
空家」より 著者:宮崎湖処子
つら》え、みずから犂《すき》をとりて墓を掘り、父老、女房、勇蔵夫婦の朋友を呼びて野辺送りに立たしめたり、阿園が尼になるの一事は、里方は痛く怒りたれど、これも彼が....
正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
多い。見るもの、聞くもの、戦捷の新年風景ならざるはない。 かゝる夜の月も見にけり野辺送り これは俳人去来が中秋名月の夜に、甥の柩を送った時の句である。私も叔父....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
て、事務長以下十数人、遺骸を奉じて埠頭を去る三|哩なるパセパンシャンの丘巓に仮の野辺送りをし、日本の在留僧釈梅仙を請じて慇ろに読経供養し、月白く露深き丘の上に遥....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
産のとき、または年祝いといって老人の長命を祝う日、いっぽうにはまた人が亡くなって野辺送りをする後先から、しだいに月日がたって月忌年忌の祭りをする日まで、身うち知....