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量感
「量感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
量感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「悟浄歎異」より 著者:中島敦
れを知らぬ肉体が歓《よろこ》び・たけり・汗ばみ・跳《は》ねている・その圧倒的な力
量感。いかなる困難をも欣《よろこ》んで迎える強靱《きょうじん》な精神力の横溢《お....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
の鹿の子絞りで埋めてあるだけに、疋田の粒と粒とは、配し合い消し合い、衝ち合って、
量感のヴァイヴレーションを起している。この夏の水草と、渦巻く流れとを自然以上に生....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
巨匠の中、セザンヌは観照に於て最もよく徹底している。彼は物質の本有する形態感、重
量感、触覚感等のものを、絵画によって三次元的の空間に描こうとした。吾人は彼の描い....
「ヴォルフの世界」より 著者:宮本百合子
頁から頁へと一つの印画から一つの印画へとそこに描こうとされた生活の各断面が十分の
量感をもって展開されていて、そこからたちのぼって来る生活の息づきに、心持よく顔を....
「あられ笹」より 著者:宮本百合子
い水の曲折、鮮やかな緑青で、全く様式化されながらどっしりと、とどこおるもののない
量感で据えられた山の姿、それらは、宗達の絵の世界にあらわれて、まだちっとも使い古....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
、彼は、金色のケースと牡丹色とを好んでいるように思った。それは、あのお好み焼の重
量感と似通っていた。彼はきっと多くの種類の中から特にこの色を選んだにちがいなかっ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
である。「ほどろほどろ」は、沫雪の降った形容だろうが、沫雪は降っても消え易く、重
量感からいえば軽い感じである。厳冬の雪のように固着の感じの反対で消え易い感じであ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
う若い夫人(テニスの朝吹の一族)ピアノを弾き、なかなかよかった。女のひとでこの位
量感があり、変化もある演奏をするのは珍しい。熱心に聴いていい心持につかれました。....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いてあって、題は朱。トンボの色は写生風で瀟洒としている(そうです)が、私は自分の
量感が出ていないで余り感服いたしません、表紙なんか私がどうかしらと云うのは賛成し....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
れに較べれば余り小さく、貧困な構えであったが、それにも拘らず、この工場の緊密な質
量感に較べれば、聖路加病院は子供達の細工のようなたあいもない物であった。この工場....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
く言い現わしができないけれども、感傷とか甘さというものゝ喪失から来たこの現実の重
量感の負担であった。 私自身が昔から人をジロリと見る癖があったというが、そうい....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
つて、いけない。坐つてゐると、いけないのだ。ふと、あのズッシリと山積みの充実した
量感を思ひだす。すると急に、その
量感になぐられたやうにパンクして、恐るべき真空状....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
かないオッチョコチョイ、居ても居なくても邪魔にならないような、吹けばとぶような軽
量感。楽でした。 話はとんで法本です。彼はまだセラダのもとへ分け前をとりに行く....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
、かれの決意がなみなみならぬものであるのを見てとった。同時にかれの人物に一種の重
量感を覚えた。その重
量感は、決してかれの言葉つきや態度から来るものではなかった。....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
かかる時、顔面蒼白に見えし「芸」の力、今に忘れず。当代松鶴のはいまだ聴かざれど重
量感ありて佳ならんと思う。 東都にては三笑亭可楽、三遊亭圓生、もっぱら、これを....