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「金モール〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

金モールの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
四 明治も十年頃になると物売りもまた変って来て、隊長の鳥売りなぞといって、金モールをつけた怪しげな大礼服を着て、一々|言立てをするのや、近年まであったカチ....
」より 著者:犬田卯
て決算せられたのである。柳原ものではあるまいかと思われるような上下色沢の不揃いな金モール服が何と六百何円――貧乏村の校長氏の高等官七等の栄誉を飾るためにこの瘤村....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
していた日本の潜水艦ホ型十三号はどうしたのであろうか。 司令塔のリット少将は、金モール燦然たる軍帽をぬいで、傍のコンパスに被せ、さも疲れたらしく腰を籐椅子に埋....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
すると、第一回の比律賓攻略は、結果失敗に終ったということになりますな」参謀肩章の金モール美しい将校が、声を呑んで唸った。 「うん、そうじゃ」司令官の別府大将は、....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
号は、六つの発動機をもっている巨人艇である。見るからに、浮城といった感じがする。金モールのいかめしい帽子を、銀色の頭髪のうえにいただいているのが、艇長ダン大佐だ....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
帰店を許され、これと入れかわりに電気商岩田京四郎が、検挙られてしまった。調べ室は金モールの眩しい主脳警官と、人相のよくない刑事連中の間に、京ぼんを挿んで場面はい....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
。幸い陽の斑点は光度が薄かったので、肖像画の主人公の面影を見て取ることが出来た。金モールの大礼服をつけた額の高い、鼻が俊敏に秀でている禿齢の紳士であった。フラン....
みちのく」より 著者:岡本かの子
と染み込ませたものらしい。 四郎がお蘭のところへ来なくなって、この白痴の少年が金モールの服をつけ曲馬の間に舞台に現れて、唄をうたい踊りを踊ったのち、真鍮《しん....
思い出草」より 著者:岡本綺堂
。 また、その頃に西郷鍋というものを売る商人が来た。怪しげな洋服に金紙を着けて金モールと見せ、附髭をして西郷の如く拵らえ、竹の皮で作った船のような形の鍋を売る....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。 また、その頃に西郷鍋というものを売る商人が来た。怪しげな洋服に金紙を着けて金モールと見せ、附け髭をして西郷の如く拵え、竹の皮で作った船のような形の鍋を売る....
オシャベリ姫」より 著者:かぐつちみどり
は赤い兵隊の服を着た赤蛙が先に立って、あとから最前の疣蛙が這入って来ると、立派な金モールの服を着た殿様蛙と、その奥さんらしいやさしい顔をした青蛙が這入って来まし....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
引寄せて見せ、 「見給え、巡査のとは違うじゃないか。帽子の徽章にしたって僕等のは金モールになってるからね……ハヽ、この剣を見よ! と云いたい処さ」横井は斯う云っ....
変身」より 著者:カフカフランツ
きちんとてかてかな髪形になでつけている。この父親はおそらく銀行のものだと思われる金モールの文字をつけた制帽を部屋いっぱいに弧を描かせてソファの上に投げ、長い制服....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
、この将校は彼には驚嘆すべきものに思われるのだった。将校は、重そうな肩章をつけ、金モールを下げた窮屈そうな礼装の軍服に身を固めて、ひどく熱心にこの件を説明してい....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
。あの恐るべき饒舌の何の名残も、あの金扇や日の丸の朱も、チョビ髭も、サーベルも、金モールも、お一二の帽子も、何一つとして、其処には影の影だに止めて居らないのだ。....