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金一封
「金一封〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金一封の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
せんが、いずれにしてもこの包み紙は、ゆうべのお徒歩供の特別お手当としてくださった
金一封のぬけがらにちげえねえんだから、とするてえと、井上のだんながおるすなさった....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
だっさかい。それになんだんねん……」電車会社の慰藉金はなぜか百円そこそこの零細な
金一封で、その大半は暇をとることになった見習弟子に呉れてやる肚だった。そんなお君....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
。労務期間中、死亡し又は負傷して将来労働に堪えざるときは、慰藉料として漁場主より
金一封を支給すること。その他等々。 漁夫たちはだまってきいていた。みんな、そん....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
るまで、そのまゝにして置かなければならない。その上、坑内で即死した場合、埋葬料の
金一封だけではどうしてもすまされない。それ故、役員は、死者を重傷者にして病院へか....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
援する心算で、優秀な警官並びに警官類似の行為のあった少数の市民に対して、感謝状と
金一封とを贈るの会を、二十五日警視庁内で挙行した。之は前に内務大臣賞を優秀警官に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いておくれ、そのうち御縁があればまた何とかして上げないものでもありませんからね」
金一封を包んでそこに置いたまま、眼をパチパチさせて口を吃《ども》らせている米友を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いて離れませんでした。 その翌日になると、鶴寿堂はあとの仕事を持ち込むと共に、
金一封をお雪ちゃんの前に置き、一枚について幾らずつの計算で、これから無限にお引受....
「雨」より 著者:織田作之助
さかい。それになんでんねん……」 電車会社の慰謝金はなぜか百円そこそこの零砕な
金一封で、その大半は暇をとることになった見習弟子にくれてやる肚だった。 そんな....
「選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
書きたしてもらッてからでもおそくはないぜ。昇給のチャンスだからな。このメモの中に
金一封があるんだけど、君の力だけじゃアね」巨勢博士はメモを取り返されないように手....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
ことさ。じゃア、サヨナラ」 彼はニヤリと笑って二人の耳に口をよせ、 「新聞社の
金一封と、私の警察の
金一封と、どちらが重いかな。ワッハッハ」 笑いながら、二人....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
つかったらしい。或は、もうとうに見つかっていたのかも知れない。父は、給料のほかに
金一封ずつを包んで二人に暇をやった。夕飯には、二人の送別会をかねて、何か御馳走が....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
こと、足手まといなどにはならぬであろう」 さらに奥方よりは澄江に対して、守袋と
金一封をさえ、使者を以て下された。 上々吉の首尾であった。 こうして二人は旅....
「瘤」より 著者:犬田卯
の立木を無断伐採しているところなどを、沼へ鴨打ちに出かける瘤のために発見されて「
金一封」で事なきを得ていたし、村内殆んど全部の地主たちは、かつて左翼華やかなりし....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
を自白した彼を「晴天白日」の身にしてやったばかりである。そしてR自身、そのために
金一封、五百円ばかりを使ったばかりである。 そのRが全く「性懲りもなく」俗に相....
「雨」より 著者:織田作之助
はどうでもえゝことですから。それに」電車会社の謝罪金は何故か百円にも足らぬ僅少の
金一封で、その大半は、暇をとることになった見習弟子に呉れてやる腹であった。 そ....