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金主
「金主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金主の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
たでしょう。これでも町じゃ私も信用があったからね、土地に居つくつもりなら、商売の
金主《きんしゅ》をしてくれる人もあったのさ」
「へえ、そんな人がついたの」
六....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
驚くべきものなりき。さればいたるところ大入り叶《かな》わざるなきがゆえに、四方の
金主《きんす》は渠《かれ》を争いて、ついに例《ためし》なき莫大《ばくだい》の給金....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
金がいる。多寡が錺職人が半年や一年稼いでも、それだけの金が出来そうもねえ。なにか
金主があるな」 「そうでございましょうか」 「
金主はきっとこの甚右衛門だ。もう大....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
いう銭貰いじゃアねえ、金が有れば遣ってしまい、なくなれば又借りに来る、是れだけの
金主を見附けたのだから僕の命のあらん限は君は僕を見捨ることは出来めえぜ」 丈「明....
「家」より 著者:島崎藤村
切出した。 森彦が言うには、今度という今度は話の持って行きどころに困った。日頃
金主と頼む同志の友は病んでいる。一時融通の道が絶えた、ここを切開いて行かないこと....
「縮図」より 著者:徳田秋声
たてには、やっと七輪とお鉢が台所にあるくらいの創始期であったが、三四年するうちに
金主も花村の上手を越した、同じ米屋町の大物がつき、これは色気ぬきの高い利子で資本....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
で七百十七万フランばかりの在高が記入してあった。そして、どっちの帳面にも、この預
金主の名として「ミスター・F」とのみ記されてあった。 これは、ミスター・Fの財....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
味方には誂向き、いざとなりゃ、船の一|艘ぐらい土蔵を開けて出来るんでござります。
金主がつけば竜に翼だ、小主公、そろそろ時節到来でござりましょうよ。」と慶造が勇む....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
せた。 宇賀神の噂は明日にも二人の耳にとどくだろうが、わざとそれを隠して、 「
金主のことではいろいろのデマがとぶでしょうけど、デマを利用する方が賢明なのよ。あ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
だから、新しいの新しいのと届ける方がよいでしょう。ところで代価ですが、私の方は現
金主義ですから三十銭頂戴しましょう』 彼は代価は明日残り十一個分と引換えに渡す....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
には後楯と云うものがなければなりません、商人が大きくなるには、資本を貸してくれる
金主と云う者がなければ大商人にはなれませんものでございますが、茲に下野国安蘇郡飛....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
十四年の博覧会に出品する作品に着手していた。 これは銀座の三成社(鋳物会社)が
金主となって大島氏に依嘱したものであるが、その大島氏と息子に勝次郎(後に如雲と号....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
散財をかけました上に御羽織を拝借、その上|御馳走でございます。ほんとうに先生は、
金主と作者と、衣裳方と、振つけと、御見物とかねて下さるんだ、本雨の立廻りか、せめ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
づけているのであるから、その関係上、まず出勤俳優の顔触れと狂言とを定めて、それを
金主(金方ともいう)に見せて、その承諾を得た上でなければ開場することが出来ない。....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
階が吹き飛ばされたりと、他の憂い災難をわが茶受けとし、醜態を見よ馬鹿欲から芝居の
金主して何某め痛い目に逢うたるなるべし、さても笑止あの小屋の潰れ方はよ、また日ご....