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金人
「金人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「久助君の話」より 著者:新美南吉
正のほうびをもらってきた。 はじめて久助君がほうびをもらったので、電気会社の集
金人であるおとうさんは、ひじょうにいきごんで、それからは、久助君が学校から帰った....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
訴えたかも分らぬ。ところがそれだけは如何なる破目に陥っても出来ぬわけがあった。集
金人の山谷からいつか聴いた話が心の底に執拗く根を張っていたから、そのようなことを....
「わが町」より 著者:織田作之助
に縁談があったことはあった。 相手は呉服屋の番頭、公設市場の書記、瓦斯会社の集
金人と、だんだん格が落ちた。 父親はいつのときも、賛成も反対もせず、つまりは煮....
「牡丹」より 著者:宮本百合子
すものねえ……」 そのように親類になってくれと懇願されている者は、電燈会社の集
金人であった。石川は台所へ上って、 「奥さん、あの人には私から親類になるようによ....
「一本の花」より 著者:宮本百合子
、ずっと母となった富貴子の態度に、好意を感じた。糸屋の飾窓に、毛糸衣裳をつけた針
金人形が幾つも並んでいた。朝子はその前へ立ち止った。 「ちょっと――いらないの?....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
れの男を、月掛無尽会社か何かそういう種類の会社の支店長であり、女はその部下の女集
金人と判断した。工場へ出ているという二十四五の息子も帰って来た。女手一本でどうや....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
員外郎に累進しました。彼が金に使いした時に、敵国に対するの礼を用いたので、大いに
金人のために苦しめられましたが、彼は死を決して遂に屈しなかった事などは、有名の事....
「風景」より 著者:豊島与志雄
その月末、デパートから、万引の品物の代価の書付が、彼女の家に郵送され、やがて集
金人が来る。彼女は金を払う。――そしてまた彼女は、デパートに平然と現われて、万引....
「雨」より 著者:織田作之助
まった。出て行きしな、自分の力で養えるようになったらきっと母を連れに来ますと、集
金人の山谷に後のことを頼んだ。かねがね山谷はお君に同情めいた態度を見せ、度を過ぎ....
「二十一」より 著者:坂口安吾
米の嵐でも出掛けて行った。どうせ先方の返事は分っているのだから、僕は諦めの良い集
金人みたいのもので、店頭に立ち又来ました、というしるしにニヤリと笑う。すると先方....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
いうような注意をうける。それでもダメなんだね。 今も私の住む静岡県でミカンの集
金人の行方が知れない。彼も出発に先立って、お前さんは酒が腹にはいるとガラリと変る....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
。 石段の上の入口敷物《ドア・マット》の下に、瓦斯会社の請求書が挟めてある。集
金人が留守に来て、其処へ押し込んで行ったのだろう、引き出して見ると、F・フランシ....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
。 もっともの観察であると雀右衛門は、下僚の言葉に耳を傾けた。そこで、二つの黄
金人形を錦の布に包み、香水をそそいで白木の箱に納めたのである。そして、小みどりの....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
場である新聞記者中でも殊に抽んでて貧乏であった。毎月の月給が晦日の晩になっても集
金人が金を持って帰るまでは支払えなくて、九時過ぎまでも社員が待たされた事が珍らし....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
仮小屋もようやく呻き声に満ちてきた。谷薬局長の令嬢も重態だ。通りかかった保険の集
金人がころがりこむ。二人の囚人も宿を求めた。 敵機は二回来た。ビラ弾のはじける....