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金仏
「金仏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金仏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
額にかけて、そこが庇髪《ひさしがみ》のようなお凸《でこ》になっていた。おまけに、
金仏《かなぶつ》光りに禿《はげ》上っていて、細長い虫のような皺が、二つ三つ這って....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
させて、何百年間大繁昌をして御座るのだから恐ろしい。おまけに御本体が一寸八分の黄
金仏だとも云うし、木仏だとも云う。本当に御座るか御座らないか、それすらわからない....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のであるらしい。なんでも遠い昔に異朝から渡来したもので、その胎内には更に小さい黄
金仏が孕《はら》ませてあると云いつたえられている。自分は九つの年から寺に入って、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
。だから確り性根を据え、云うか厭か明瞭云いねえ。……ふん、畜生、云わねえ意だな!
金仏のように黙っていやがる! 唖が自慢でもあるめえに。よし手前がその気ならもう一....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
かな》わないかも知れないが、これでなかなか情があって、どこかのお人のように、木仏
金仏石ぼとけというのじゃあないのですよ。今夜はひとつ、みっちり仲のいいところを、....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
ては、浜成、武成の兄弟と仲知とが遠く推古帝の御宇、一日宮戸川に網して一寸八分の黄
金仏(観世音菩薩)を得たという詩のような伝説、吾儕は敢えて彼これその詮索をなすを....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ま引っぺがさせて持って来たのだ」 「えろう古いもんでおますな」 「それから、この
金仏様《かなぶつさま》――これが奈良朝よりもう少し古い、飛鳥時代《あすかじだい》....
「千世子」より 著者:宮本百合子
せんねえ。お金が世の中のすべてだと思って居る御仲間ですもの、いざとなれば御亭主と
金仏をとりかえまいもんでもない……下手なおしゃれがすきでねえ、いやんなるほど妙に....
「和尚さんと小僧」より 著者:楠山正雄
といいながら、そこらをきょろきょろ見まわして、 「ああ、わかりました。御本尊の
金仏さまが上がったのです。ほら、あのとおりお口のはたに、あんこがいっぱいついてい....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
「これはどうも恐れ入りました」弓之助は変に気味悪くなった。「この叔父貴変梃だぜ。
金仏のような風采でいてそれで消息には通じている。ははあ昔は遊んだな」 その時甲....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
ました」
お由羅は、調所も、老いてしまったものだ、と思った。
仏壇の中の黄
金仏は、つつましく、燈明の光に、微笑んでいた。白い菊の供え花、餅、梨、米――それ....
「山寺の怪」より 著者:田中貢太郎
それは一室しかないような小さな寺で、戸締のない正面の見附の仏壇の上には黒く煤けた
金仏が一つ見えていた。庭は荒れて雑草が生えていた。武士は何人かいないかと思って見....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
、一同あっと鼻をつまんだ。 いい若い者がどぶ泥まみれ、名前のとおりに帝釈さまの
金仏そっくり。 「どうした、丹兄い」 「どうもこうもねえ。背後《うしろ》からかぶ....
「樹氷」より 著者:三好十郎
涙声のままで快活に笑い出す)小父さん、今でも盆踊りの歌、うたってる? 金吾 木仏
金仏でやすか? 歌いやすよ。敏子さま、あれが好きだったなあ。 敏子 そいから山奥....
「茶碗の曲線」より 著者:中谷宇吉郎
董品《こっとうひん》などの鑑定には、度々用いられているやり方である。たとえば、鍍
金仏《ときんぶつ》などを専門家が一眼見て、これは六朝《りくちょう》だとか、もう少....