金切り声[語句情報] » 金切り声

「金切り声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

金切り声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
側の呼び声もなかなか負けていなかった。蝶子も黙っていられず、「安い西瓜だっせ」と金切り声を出した。それが愛嬌で、客が来た。蝶子は、鞄《かばん》のような財布を首か....
蠅男」より 著者:海野十三
ぎてゆき、廊下に佇んで待っている人たちの気をいらだたせた。 すると突然、糸子の金切り声が聞えた。扉がパッと明いて、糸子が寝衣のまま飛び出してきたのだ。 「――....
地球盗難」より 著者:海野十三
しそうもなかったのである。 それからどの位経ったかしらないが、大隅学士は、突然金切り声を聞きつけて、ハッと眼が覚めた。 ドタドタドタと梯子段に尻餅をつきなが....
わが町」より 著者:織田作之助
なかなか負けていなかった。蝶子も黙って居られず、 「安い西瓜だっせエ!」 と、金切り声を出した。それが愛嬌で客が来た。蝶子は鞄のような大きな財布を首から吊して....
恐竜島」より 著者:海野十三
と思うほどのすごい金切《かなき》り声を発した。 でも、誰だって、これを見れば、金切り声を出さずにはいられないだろう。だって、沼の中からぬっと恐竜が長い首をつき....
四次元漂流」より 著者:海野十三
暗の迫る中にじっと塑像のように立ちつくしていた。 が、そのときであった。突然、金切り声が一同の鼓膜をつんざいた。女の声らしい。その声の起ったのは、どうやら木見....
○○獣」より 著者:海野十三
クシ、よく覚えています――」 物思いにふけっていた敬二は、いきなり黄いろい女の金切り声とともに、腕をムズとつかまれた。 顔をあげてみると、それは十円紙幣をく....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
が紫の靄のなかから現われて来るものと思った。 「ようこそ、花聟さま」と、ふたたび金切り声がひびいたと思う刹那、その声のぬしは腕を差し出しながら私のほうへ走って来....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
いているうちに、かれはたちまち女の声におどろかされた。 「あら。」 だしぬけに金切り声を叩き付けられて、深田君はびっくりして立ち停まった。親戚の娘がさき廻りを....
新学期行進曲」より 著者:海野十三
んだ。 母親 あなたア! あ、あ、あなたア! 父親 ななな、なあんだ。急に、か、金切り声など出しやがって。 母親 失礼いたしました。ではございますが、あなたは道....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
が船を追いかけて、しかも追いつくことが出来ないかのように、船のあとに哀れな叫びと金切り声をあげているのを聞いたと、しばしば繰り返して話したのがそもそも始まりであ....
俳優と現代人の生活(対話Ⅴ)」より 著者:岸田国士
せていつているんです。日本でも過去の時代にはそういう文化があつた。頓狂な声とか、金切り声とかさびのある声とかそういう事が言われたのは、声に対する審美的道徳的批判....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
つんだ女の話も出た。これはレイヴン・ロックの暗い谷間に出没し、冬の夜、嵐の前には金切り声をあげるのが聞えるのだ。この女はそこで雪に埋もれて死んだのだった。しかし....
審判」より 著者:カフカフランツ
倉庫役人たちに盗まれるのでなければ、むなしく朽ちてゆくのです」 Kは広間の隅の金切り声に話を中断され、そちらを見ることができるように、眼の上に手をかざした。曇....
むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
げました。端近く座っていた一人の女が驚いて飛び上り、 『あら、百足が――』 と金切り声で叫びました。それが彼の耳に届いたのでしょうか、新生寺さんは突然しゃんと....