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「金剛力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

金剛力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
わら》にさえぎられて、ここまではさして来ない。後ろを見ると、うす暗い中に、一体の金剛力士が青蓮花《あおれんげ》を踏みながら、左手の杵《きね》を高くあげて、胸のあ....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
も今日が見納めじゃア」 と鳥居を抱えて、 花「大きな鳥居じゃアないか」 と金剛力を出して一振《ひとふり》すると恐ろしい力、鳥居は笠木《かさぎ》と一文字《い....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
ある坂道で、剛力先生|凹垂《へこた》れて容易に動かばこそ、仕方がないので、衣水子金剛力を出して、エイヤエイヤと剛力先生の尻を押上げたとの事。これではまるで反対《....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が山嶽のように重なり合って眼も口も塞ぎ、おまけに、その雲を突かんばかりの巨人が、金剛力士さながらに怒張した四肢を張って、口を引ん歪め、半ば虚空を睥睨しているのだ....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
《そそ》ぐ渦の中に指先を浸《ひた》すばかりである。うんと踏ん張る幾世《いくよ》の金剛力に、岩は自然《じねん》と擦《す》り減って、引き懸けて行く足の裏を、安々と受....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
っても、動かばこそ、汗は滝のように流れ出した。槍を挟まれた近藤は、空《むな》しく金剛力を絞り尽すことまた半時あまり、その時に拳骨和尚が大喝一声ともろともに椀を放....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
承知しねえぞ」 それは米友でありました。四尺の身体に隆々と瘤《こぶ》が出来て、金剛力士を小さくした形。 「イヨー米友!」 妙な役者が飛び出したと、屋根の上で....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
って一人のものではありません……と女房がこう理《ことわり》をわけて、拙者の死を、金剛力でおさえたものです。そこで拙者は、死ぬにも死なれない苦痛に全く昏倒していま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
油を加えるものに過ぎません。過去世も未来世もあったものでありません。神尾はついに金剛力を出しました。その力で、わずかに取縋《とりすが》っていた一条の井戸縄の手が....
三甚内」より 著者:国枝史郎
士は気を焦ち右剣を延ばして切り下ろした、溺れる者は藁をも握む。紙一枚の際どい隙に金剛力を手に集め寝ながら抱き起こした老人の死骸。すなわち楯となったのである。 「....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
があった。 仁王門は楼門です。楼上には釈迦に十六羅漢があるはず。楼下の左右には金剛力士の像が立っている。 仲店の中間、左側が伝法院で、これは浅草寺の本坊であ....
越後の闘牛」より 著者:佐藤垢石
に引き分けてしまったその剛力。あまたの見物と牛方は、この光景を見て、ただ小文吾の金剛力に驚くばかり。 馬琴は、そのときの状景を――曳とかけたるちから声と共に、....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
或いは破壊されたり、或いは半ば土に埋もれたりしたのを始めとして、水田の中に立った金剛力士や、その他立派な石の彫刻物が甚だ多く遺っている。昔敏達天皇の御代に当って....
五重塔」より 著者:幸田露伴
だん足場を取り除けば次第次第に露わるる一階一階また一階、五重|巍然と聳えしさま、金剛力士が魔軍を睥睨んで十六丈の姿を現じ坤軸動がす足ぶみして巌上に突っ立ちたるご....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の大斧は則天無私のちょいであったが、これはまた魔神の怪異である。少くとも一千人の金剛力者は、この機械の中に暴れて居る。何という破壊力だ。 「おそろしい機械だな。....