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金品
「金品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
えた。ほかは皆な支那人だ。 山東軍は、退却際に、行きがけの駄賃として、数カ所で
金品を奪い、むやみな発砲をした。中山服の眼には敵意があった。不安は、ます/\ひど....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
いいたします。如何折返し何れの御返事を願います」 こう云う風な嫌がらせの手紙で
金品を強請された人は外にある事と思われる。 さて大正十一年六月七日、第十二回公....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
の娯楽を得るために盗賊を働く、ひとりでは心細いから相棒を作る、弱いものを脅迫して
金品をまきあげる、他の子女を誘惑して同類にひっこむ、一度この泥田に足をつっこむと....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
。が、世には往々仁者の偽物がある。それ等は自己に迎合阿附する者のみを愛し、これに
金品を与えて虚名を博すべく努力する。 それから真の哲人――彼は決していかなる学....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
舟乗でござんしたが、友達の勧めに従って不図した事から海賊の手下となり、女でござれ
金品でござれ、見付け次第に欺したり剥取ったりして親船へ持運びして、女の好いなア頭....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
まさしく、パンパンじゃないか。大浦種則みたいなウスノロにだまされて、家出をして、
金品をまきあげられて、別の男と関係ができて、まさしくパンパンさ。病気になって、追....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
だ。 旅客のフリをして廊下かなんか歩いていて、浴客の留守の部屋へあがりこんで、
金品を盗みとって、素知らぬフリをして戻ってくるのである。 自分の部屋には芸者が....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
であるが、腹をたてる余地がない。 彼の存在を眼中になく、行李をあけて十分ちかく
金品を物色した落付きというものは、水際立っている。このとき彼の存在というものは、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
やってのけた。 島田幾之進はベク助の熱心な仕事ぶりと見事な出来を賞して、多額の
金品を与えた。 ベク助はその日七宝寺へ立ち帰ると、五忘に向って、 「約束通り、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
知り得たところまででは、こんな風であった。 十一月二十六日脅迫状(十二月五日に
金品交換。これが政子から兄へ手渡した最後の一通の取引に当るらしい)。 十二月十....
「フシギな女」より 著者:坂口安吾
末をするだけの甚しく冷静な行動が次に長時間行われていたことが知り得られる。彼らは
金品を探して血の海の室内をずいぶんうろついた筈なのだ。しかも足跡がなく、血のつい....
「花模様女剣戟」より 著者:小野佐世男
れ」第四場の幕が開き、博徒の親分釈迦堂の重五郎が児分の者どもに善人をいためさし、
金品を巻き上げ、婦女子をかどわかし、その為に泣きの涙で自殺まで思い込む呉服問屋の....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ども……。
チベットの大蔵省はただ租税を取扱うばかりでない。寄付金または喜捨の
金品も取扱うです。釈迦堂へ何を上げて来ても、あるいは大法会の時分に、僧侶に対して....
「妻」より 著者:神西清
自腹を切らなければならぬのみならず、自分の名誉をも台なしにする羽目になるだろう。
金品が着服されたり、手ぬかりがあった点は私がつぐなうとしても、誰が君に名誉を返し....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
画んでいるんだろう。殊によると今夜の行動を最初から見ていて、僕の弱点に附け込み、
金品を強請ろうというのかも知れない。しかし、それにしても少し変だ。強迫するとした....