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金地
「金地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
ているがいい」 お絹は眼にみえない相手を罵《ののし》るように呟《つぶや》いた。
金地に紅い大きい花を毒々しく描いてある舞台持ちの扇で、彼女は傍にある箱を焦《じ》....
「安井夫人」より 著者:森鴎外
駄谷にある藩の下邸《しもやしき》にいて、その後外桜田の上邸にいたり、増上寺境内の
金地院《こんじいん》にいたりしたが、いつも自炊である。さていよいよ移住と決心して....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
りにて浅間と成り、見苦敷体にて御座候との沙汰にて御座候」 と、正月二十日附で、
金地院崇伝は細川忠興に消息している。つまり、現在ある大阪城と同じになったわけであ....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
ぐ取付きの表の間には壁の隅に二枚折りの銀屏風を立て、上り口に向いたところにはまた
金地の衝立などを置いてある。 「あんな、いろんな家具などを買い込んでいる」と、そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
入口襖の桐に鳳凰《ほうおう》――左の出入口は菊に孔雀《くじゃく》の襖――いずれも
金地極彩色なのと、その金具に五三崩しの桐紋がちりばめてあることまで丹念に見てしま....
「湯ヶ島の数日」より 著者:宮本百合子
柑橘類、大島椿。伊豆はよいところという感銘深し。日本のなごやかな錦の配色など――
金地に朱、黄、萌黄、茶、緑などあしらった――は、斯那自然の色調から生れたものと思....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
》が立ち、しめた障子のなかにわたしの一番仕合せな団欒があるとしたら、そんな図柄は
金地の扇面にこそ描かれると思います。雪はそんなに日本らしいのね。五月の新緑のとき....
「自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
生活でございますよ。あの方は毎週二三度はロンドンに出ますが、何でも南アフリカの採
金地の株に、非常に興味を持っているようでございますわ」 「それではスミスさん、い....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
らしたと云ってよかろう。さて、君の左の人差し指と拇指の間の皮膚の筋を見て、君が採
金地の株を買わなかったと云うことが、あまり首をひねりまわさない中に解ったと云うわ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
して――」
と、いいすてて、道へ出てしまった。
巷の音
燭台が、明るく、
金地の襖を、磨きのかかった柱を――それから、酔った人々の顔を照らしていた。
「愉....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
出生なりと主張して駿府へ乗り込み家康に迫って勝利を博した。当時、増上寺の地続きに
金地院という寺があったが、この寺の住職は駿州大納言派で自分の敗北を慨し、江戸城紅....
「霊廟」より 著者:永井荷風
奥|遥《はるか》には、金光燦爛《きんこうさんらん》たる神壇、近く前方の右と左には
金地《きんじ》に唐獅子《からしし》の壁画、四方の欄間には百種百様の花鳥と波浪の彫....
「民芸とは何か」より 著者:柳宗悦
えば御殿は王侯の造営物であり、民家は民衆の建物でいわば建物の中の民藝です。例えば
金地襖の彩画は貴族的な絵ですが、大津絵の如きは「民画」とも呼ぶべくいわば民間の画....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
いよ、花魁は鬱ぐ病だから、チト神妙にして、少し待っておいで」 徳「好い屏風だネ、
金地に牡丹の花があって、赤い尾を振り舞してるのは猩々でげすかえ」 正「ナンノ石橋....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
事件は、前にも述べたように、朝幕抗争の一所産であったが、事件の口火を切ったのは、
金地院崇伝だったといわれているのを見ても分るように、その裏面には、大徳妙心寺対鎌....